「容姿オッケー運動オッケー勉強もまあオッケーで、一軍にもすぐに昇格出来たこの俺、黄瀬涼太どうっスか?」
「はぁ…凄いと思います」
部活帰りに黒子っちと二人きりで帰れる事になったから、マジバのバニラシェイクを奢るから話に付き合って欲しいと頼むとあっさりOKを貰えた。(物で簡単に釣れる黒子っちにちょっと不安…)
席についてバニラシェイクを飲む黒子っちにとりあえずアピールをするも空回り。(鈍感すぎる!)
「俺、黒子っちが好きなんス」
「僕も黄瀬君、好きですよ」
黒子っちの「好き」は友情としてなんだろうけど、好きな人の口から「好き」と言ってもらえてつい舞い上がる。(落ち着け落ち着け、俺)
「違うっスよ」
「はい?」
「俺の好きは恋愛感情の好きっス」
「……え、」
ピタリと黒子っちの動きが止まる。
けれど普段からあまり表情の変わらない黒子っちの感情を読み取るのは難しい。(動揺してる?呆れてる?)
「黒子っち」
「……」
「好き」
「……っ」
「愛してる」
「………狡い、です」
バニラシェイクを握る黒子っちの手を包み込む形で握る。
チラリと顔を覗けば頬が少し赤くなっていて、不覚にもときめいてしまった。(あんな顔…反則っスよ)
「黒子っち…返事、聞かせて?」
甘える様な声で尋ねると、潤んだ瞳と目が合った。(なんて魅惑的な瞳…)
「僕で…よければ」
「黒子っちがいいんス!」
「そう、ですか…」
ニッコリ笑えば、微かに微笑み返してくれてその不意打ちに自分の顔も赤くなったのが分かった。
「あーもー、黒子っち大好きっス!」
「僕も黄瀬君が好きです」
初めに言われた「好き」と同じなのに、想いが伝わった後の「好き」はとても甘い囁きに聞こえた。
(やっぱ黒子っちには敵わねぇっスわ)
君には敵わない