※♀黒子





「テツナ」

「はいはい、タオルですね」

「さんきゅー」

「…重いです、青峰君」


テツナから貰ったタオルを首にかけて後ろから抱きつく。

フワリとしたテツナの髪に鼻を押し当てると、石鹸の優しい香りがした。


「青峰君、暑いんですが…」

「ちょっとぐれー我慢しろよ」

「それに汗臭いです」

「仕方ねぇだろ。部活中なんだから」


てか彼氏に向かって汗臭いとか言うなよ、と言えば、青峰君の匂いなんで嫌じゃないですよ、と可愛い事を言ってくれる。

それに暑いや重いとか言ってはいるが、引き離そうとしないのがまた可愛い。


「はい、これどうぞ」

「ん、さんきゅ」


上を向いたテツナの手にはスポーツドリンクがあり、それを一口飲んで渡すとテツナも一口飲んでキャップをしめた。(……間接ちゅー)

特にテツナは気にしてもいなかったし俺も気にせず視線を下へ下ろすと、テツナのジャージのズボンが目に入る。


「テツナー」

「何ですか?」

「お前ジャージで暑くねぇの?」

「暑いんですが、桃井さんが脱いじゃ駄目だって言うんで…脱いだ方がいいですか?」


ジャージのズボンに視線を落とし次に上を向いて俺と目を合わせる。

俺はテツナの言葉から出た一人の人物を思い浮かべた。
どうせ、さつきの事だからテツナのスラリと伸びた白くて細い足をあまり晒したくないのだろう。(…俺だって嫌だな)

それでなくても普段の制服もスカートでニーソなのだから、と考えた所で何だか考えてる事があのテツナ大好きっこの幼馴染みと一緒だという事で気分が萎えた。


「やっぱそのままでいい」

「そうですか?」

「おー…お、今日は水色レースか」

「何覗いてるんですか」

「いってぇ!」


上から見えた胸元が気になり適当に相づちを打ちながら、クイッと首元の服を引っ張り中の下着を除いた。

するとすぐにテツナの膝が俺の腹を目掛けて飛んできて見事的中。(ほんと容赦ねぇよな!)


「馬鹿やってないで練習に励んで下さい」

「わぁったよ…夜覚えてろよ、テツナ?」


仕返しとばかりに耳元で低く囁くと、ボッと効果音が付く程顔や耳を真っ赤にさせた。




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