その瞳を見た瞬間、心が歓喜に震え上がった。
…欲しい、と思った。
「あ、」
「……どうも」
「おいおい、ちょっと待てよ」
偶々、他所の試合を観に行った時に黒子に出会った。
周りに仲間が居なかったから好都合と思っていたのに、挨拶を軽くかわすとさっさと去ろうとしたから咄嗟に腕を掴む。
「…何ですか?」
「ちょっと話さない?」
「僕は話す事はありませんので」
「行かすかっつーの」
掴んだ手を振りほどこうとしたけれど、絶対に離さない様に掴んだ手に力を入れた。(逃がすかよ)
力を入れすぎたのか黒子が眉を潜めたけれど気にせず、そのまま人通りのない廊下まで連れて行く。
突き当たりまで行くと黒子を壁に押しやり、顔の両側に手を置き逃げれない様にする。
「…何なんですか」
「何だと思う?」
「ふざけないで下さい」
「はっ、ふざけてねぇよ!」
黒子の顎を掴んで此方を向かせる。
キッ、と睨みをきかせた瞳が俺を見つめているというだけで口の端が吊り上がった。(そうだ、この瞳だ…)
嫌悪を抱いたその瞳。
嫌いだ、と言葉に出さなくてもわかる程の眼差し。
今まで色んな奴から受けてきたモノだけれど、今までの奴等なんか比にならない位の力強い瞳。(この瞳に)(惹かれたんだ)
「っ離して下さい」
「嫌だね」
抵抗してきた手を一纏めにして頭上で押さえ付ける。
それでも抵抗しようとしていたけれど、押さえ付けた手に思いっきり力を入れると黒子の抵抗なんか苦にならなかった。(ほっそい手首だな…)
「いっ、ぁ…っ!」
「いい顔、だな」
「〜〜っん!?」
少し開いた唇に噛み付く様に口付ける。
俺が黒子の顎を掴んでいるから逃げれずに、それをいい事に角度を変えて舌を絡ませる。
「ふっ…ぁ、〜〜っ!」
「おっと、危ねぇ」
「っ痛ぅ…」
最後の悪足掻きで人の舌を噛もうとしたからその前に舌を引っ込めて、所有印として黒子の唇に噛み付いた。(ふはっ、ざまぁみろ)
思いっきり噛んだから切れてしまって黒子の唇から血が流れる。
それでも息を切らしながらでも黒子の瞳は変わらず、力強く睨んできて俺はそれに酷く、欲情、した。
「……最低、ですね」
(あぁ…)
(その言葉にすら)(欲情する)
君の全てに欲情する2100hitリク