「黒ちんって変わってるよねぇ」


思った事を口に出して言えば、キョトリとして瞳を何回か瞬かせると首を傾げられた。(…可愛い)


「そうですか?」

「んー、変わってるー」


だって俺なんかと居てくれるし、と付け加えて言えば少し眉が寄ってジッと見つめられる。(ん〜?)

今度は俺が黒ちんを見つめながら首を傾げた。


「紫原君と居る事と僕が変わってるのと、どう関係があるんですか?」


ほら、変わってる。
自分でも分かってる己の性格。

真面目なのは嫌い、マイペースで言いたい事は言って、頭のネジが緩いんじゃないのかと自分でもわかるくらい変わった性格をしている。

友達もバスケ部の仲間しか居ないし、別に欲しいとも思わない。
そんな中で一番仲がいいんじゃないかと思うのが黒ちんだ。

二人共よく話す方ではないが大好きなお菓子で盛り上がれるし、黒ちんと居ると何処か安心している部分も確かだ。


「だって俺なんかと居て楽しい?」

「楽しくなければ傍に居ません」


キッパリと真剣な眼差しで言い切る黒ちんに胸が高揚する。(やっぱ好きだなぁー)


「じゃあ俺の事好き?」

「好きですよ?」

「ううん、そういう意味じゃないよー」


じゃあ、と言いかけた所でその唇を唇で塞ぐ。
すぐに少し離れると驚きに目を大きく見開いた黒ちんと目が合った。(綺麗な瞳…)(ビー玉みたい)


「ね、黒ちん」

「……はい」

「こういう意味で好き?」

「………あ、の‥」

「俺はこういう意味で黒ちんの事、好きなんだよ?」


ニコッ、と微笑んで言えば瞬間ボッ、と効果音がつきそうな勢いで黒ちんの顔中が真っ赤に染まった。(可愛い〜)

今この時だけは黒ちんの頭の中は俺だけが占めている。ただそれだけで言い様のない高揚感が胸を押し寄せてくる。


「ねぇ、黒ちん。もう一回聞くよ?」



俺の事、好き?




繋がる想い
融かして


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