※♀黒子
※黒子in秀徳
「短すぎるのだよ」
俺が眉を寄せて不機嫌な声色で言えば、何の事かわからないのか黒子は首を傾げてきた。
しかも身長差があるので自然、上目遣いになるのだがそれにいつも胸が高鳴ってしまうのは仕方無い。
「そのスカートなのだよ」
「そうですか?」
これが普通じゃないんですか?、と言われ思わず、は?、と声が出てしまった。
中学の頃は黒子大好きな桃井が膝上5センチまでなら、と必死に黒子に言っていてスカートは長かった。
恋人である俺としても、それでなくとも俺と同じキセキの世代であるややこしい四人が黒子に好意を寄せていたし、影が薄いクセに何かと変な奴等にモテる黒子にスカートは長い方がいいと安心していた。
なのに、だ。
大体の予想はつくが、誰が、黒子にそんな事を言ったのだ。
「誰から聞いたのだよ?」
「高尾君ですけど」
(…やっぱり)
そうだと思った。
とりあえず、黒子の白くて綺麗な足が見れたのはいい。けれどそれを他の奴等も見るのは正直腹が立つ。
「緑間君」
「…何だ」
「緑間君は嬉しくないですか?」
「………は、?」
(嬉しいにきまってるのだよ!)
チラリとこちらを見ながら、スカートの端を掴んでヒラリと広げる黒子は可愛い。
けれど何故、そんな事を聞いてくるのかわからない。誘われているとしか思えない。
「高尾君が、今時スカートは短い方がいいって言ってまして…」
「ほう」
「それに…短くしたら緑間君も喜ぶ、って言うもんですから」
「…………」
これは、どうすればいいのだろうか。
さっきまでは不機嫌だったけれど、黒子のその一言が嬉しすぎて思わず口元が緩みそうになってしまう。
誤魔化す様に、ゴホンッ、と咳払いをして
「嬉しいが…俺以外に見せたくないのだよ」
と、言って見つめれば頬を赤く染めた黒子が俯いて、元に戻します、と言ってくれたのでヨシとしよう。
君の魅力は俺だけが知っていればいい