「あー…つまらなさすぎて死ぬわ、俺」


隣で机に頭と両手をダラリと預けて、そう呟いた青峰君に溜め息しか出なかった。


急に明日何処に行きてぇ?、と言われたから図書館、と答えるとじゃあ明日10時に図書館でな、と強制的に決められたのが昨日の放課後。

また勝手に決めて、と呆れるも今日言われた時間通りに行くとすでに青峰君が来ていて(珍しい…)そのまま二人で図書館に入った。


「静かにして下さい」

「あーあー…、まじ萎える」

「…青峰君」

「わーったよ…ちっ」


分かったといいつつ不機嫌を露にした青峰君は、不貞腐れて頭を伏せた。

こうなっては時間がたてばたつ程、厄介になるので仕方なく読んでいた所に栞を挟んで本を閉じる。

本を机に置いて立ち上がるとそれに気付いた青峰君が顔を上げた。


「テツ…?」


僕を呼ぶ青峰君を無視して、青峰君の腕を掴んで立ち上がらせる。

そして本棚の隅の人の気配がない場所まで連れていった。


「テツ、」

「…青峰君」


踵を返して青峰君と向き合うと首を傾げて此方を見ていたので、襟首を掴み少し屈ませる。

そして首の後ろに手を回して青峰君が口を開く前に軽く口付けた。

離れようとする前に後頭部に手を回されて至近距離のまま見つめ合う。
はっ、と吐かれた吐息が熱っぽくて、瞳に欲が混じって不覚にも胸が高鳴る。


「…手加減しねぇぞ、テツ」

「此処じゃ駄目ですよ」


誘ってきたのはお前だろうが、とブスリと拗ねる青峰君にもう一度口付けると後頭部に回された手に力が込められ深い口付けに変わった。

いつ誰が来るかわからないのに抵抗する気もなく、それを受け止める。

暫くして離れると青峰君は僕の額と額を合わせて、優しく微笑み

「続きは家で、な…テツ」

と囁いて最後にもう一度軽く口付けられた。




貴方には一生敵わない

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