部活帰り、マジバに行く度に出会う相棒、黒子に火神は少し疑問に感じた。

バニラシェイクが好きなのは知っているからマジバでよく会うのはわかる。
しかし疑問に感じているのはバニラシェイクを飲み終わった後も、暫くマジバに要るという事。

かと思えばある日は急に携帯のメールを確認した後すぐに、飲みかけのバニラシェイクを持って帰ってしまう事もある。


「お前、いつも居るよな」

「いけませんか?」

「いや、別に…ただそんなにバニラシェイク好きなんだなぁって思ってよ」

「まぁ、シェイクは好きですが理由はもう一つあります」

「もう一つ?」


でも内緒です、と言われ拍子抜けしてしまう。
余計に気になってしまうがこれ以上聞いてもはぐらかされそうだったので、食べる事に専念した。

別に黒子よりマジバへ行く回数は少ないし、本人が言いたくないのだから無理に聞く必要もないと疑問はすぐに頭の隅に追いやった。




しかし忘れそうになっていた疑問が解決したの、その後すぐだった。

偶々火神がマジバを出るタイミングと黒子がマジバを出るタイミングが一緒になり、他愛のない会話をしながらも火神は黒子がどこか落ち着きがない事に気付く。


「どうかしたのか?」

「え?…いえ、別に何もないですよ」

「ふーん」

「あ、僕こっちなんで」


また明日、と言われ、おー、と手を振って見送れば駅の前で黒子が誰かの前で止まった。


(…誰だ?)


他校の制服で肌黒い、背の高いその少年は黒子が現れると驚く様子もなく自然に黒子の手を繋いで駅の中へ消えていった。

マジバに居たのはあの少年を待っていたからなのか、と納得したがまた疑問が増える。
けれど干渉しすぎるのもいけない、と思い黒子に聞くのは思い止まる事にした。





数ヵ月後、キセキの世代の一人として目の前に現れた人物、青峰大輝に火神は一人納得する事になる。



―――



「なんでいんだよ…」

「あ?それはこっちの台詞だっつーの」


なんでテツじゃねぇんだ、と呟く青峰にビキリと青筋が立つ。
火神だってなんで黒子じゃないんだ、とツッコミをいれたい。

しかし火神が文句を言おうと口を開く前に後ろから、あれ?、と声がかかった。


「青峰君、なんでいるんですか?」

「どわっ!?」

「よー、テツ」

「部活はどうしたんですか?」

「つまんねぇからサボった。それよりテツ、早く帰ろうぜ」

「はぁ…」


仕方ないですね、と黒子が呟き青峰が去ろうとした所で、黒子は火神にまた明日と言って青峰の後を追った。

席に座りガラス窓の外を見れば黒子と青峰が並んで、とても倖せそうに帰るのが目に入り火神は思わず溜め息が漏れた。


(試合とのギャップ)
(違いすぎんだろ…二人共)




入り込める
隙はありません

ウチんとこの火神んは苦労人ですごめんね!

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -