「んだよ、これ」
下駄箱を開けると手紙が入っていて、それを取って中を見ようとした所で横からその手紙を奪われた。(…はぁ)
振り返ると不機嫌を露にした青峰君が手紙を睨んでいた。
「返して下さい」
「どうするんだよ」
「どうするって…中を読んでみないと」
「捨てろ」
「はあ?」
何を言い出すんだこの人は。(馬鹿ですか)
中身も見ていないのに何故捨てないといけないのか。
「嫌です、返して下さい」
「嫌だ」
「…青峰君」
「テツが捨てるって言ったら返してやる」
どこまで俺様な人なんだろうか。
第一その手紙は僕が貰ったものなのに、僕がどうしようが僕の勝手だ。
「いい加減にして下さい、青峰君」
怒りますよ、と言うと青峰君の眉間のシワがより増えて不機嫌が増した。(人一人殺せそうな勢いですね…)
けれど僕は何も悪い事はしていないし、寧ろ悪い事をされているから怒っていいのは僕の方だと思う。
「中読んでどうすんだよ」
「どうするって、内容にもよりますよね」
「お前っ、どうみたってこれラブレターだろうがっ!」
その言葉にキョトンとしてしまうと呆れた表情が混じり、青峰君の表情が複雑になる。
ラブレターなんか貰った事なんかなかったのでそう言われても、封筒を見ただけではわからなかった。
「もしラブレターだとしてもそれは僕のです」
「……」
「中身も見ずに捨てるのは失礼でしょう?」
「……けど、テツ」
「それに、ラブレターだとしても断ります」
だって僕は青峰君のモノでしょう?、とポツリと呟くと複雑な表情のままだったけれど幾分か雰囲気が和らいだ。
「テツは俺だけを見てればいいんだ」
そう言って乱暴に返してくれた青峰君に周りに誰も居ないのを確認してから、返事とばかりに口付けを落とした。
ほんの小さな
彼の嫉妬