「テツ、こんな所にいたのかよ」
「青峰君」
何故か青峰君は必ず僕を見つけ出す。
例え何処に居ても、例えミスディレクションを使ったとしても青峰君には無効化される。
今だって練習試合に疲れてしまったから主将である赤司君に休んでくる許可を貰い、体育館裏の日陰になって人目につかない木の下で休んでいたのに、見つかった。
青峰君は僕に声をかけると僕の隣に座って、持っていた冷たいスポーツドリンクを渡してくれる。
「有難うございます」
「おー」
「…あの、」
「あ?」
「何でここに居るってわかったんですか?」
首を傾げて青峰君を見ると何でそんな質問をするのか判らない、という様な複雑な顔をされた。
かと思えば急に屈託なく微笑んで僕の頬に優しく触れる。
少し肌寒いこの時季に青峰君の温かな手はとても心地好かった。
「俺がお前を見失うわけねぇよ」
「なんたって俺の恋人で相棒で…唯一の影、なんだからな」
そんなの理由にならない。
なのに彼が言うとそれがとってもしっくりきて、そうなんだと思わされるし嬉しく感じる。
頬に触れている手が輪郭をなぞる様に動かされ、それがまるで存在を確められているように感じて妙に擽ったい気分だ。
「俺達はずっと一緒、だろ?」
「はい」
「俺はお前が居なくちゃ生きてけねぇよ」
あぁ、どうして。
僕が欲しいと思う言葉を言ってくれるんだろうか。
こういう時、素直に何でも言える青峰君が羨ましいと思う。(そんな彼に僕は惹かれたんだ…)
「青峰君」
「おぅ」
「僕、も…」
「……」
「……その、」
「あぁ、わかってる」
ふわりと雰囲気が和らぐ。
青峰君を見つめると優しい瞳と目が合う。
僕の言いたい事を言わなくても全てわかってくれている、そんな青峰君にやっぱりどうしても伝えたくて青峰君のシャツを掴む。
そして触れるだけのキスをする。
「テ、ツ…」
「ずっと、傍に居させて下さい」
「当たり前ぇだろ」
僕の永遠の光