最近のシリウスはどこかおかしい。そわそわと空を見上げたかと思えば、日刊預言者新聞を読みだし、しまいにはマグルの新聞まで取り出して熱心に読み始める。
「シリウス、最近の君おかしいぞ?」
ニヤニヤと空を見上げているシリウスについに耐えきれなくなって僕が聞くと、彼は少し考えた後「秘密だ」と言ってニヤリと笑った。 腹立つなあ。
「そういえば、ハリーから手紙が来ているよ」
「ムーニー、何故それを早く言わないんだ!」
手紙を引ったくろうとするシリウスの手から手に持った手紙を遠ざける。 僕の方が彼より少し背が高いから、杖を持っていないシリウスは手紙が取れない。
「おい、手紙を渡せムーニー」
睨みつけてくる彼を見て、少し気が晴れた。 それに、これ以上やると本気で怒りそうだったからね。
「ほら、お望みの手紙だよ」
手紙を渡すと、すごい勢いで手紙を読み始めた。おかしいな、尻尾が見えたような気が……。 嬉しそうな彼は、そのまま返事を書きに自室へと向かい出した。
「ハリーはなんて言っていたんだい?」
鼻歌まじりで階段を上っていくシリウスに声をかけると、ひらひらと手紙が舞い落ちてきた。勝手に読めということか。
親愛なるシリウスへ
という文句から始まり、学校での生活を語っている手紙の一番最後の文でを読んで、ここ数日のシリウスのおかしな様子の理由がわかった。
「おーい! 君が最近変だった理由が分かったよ!」
P.S. シリウスの言った通りの日に初雪が降りました。ロンとハーマイオニーと三人でたくさん遊びました。教えてくれたおかげで準備が早くできたとハグリッドも喜んでいました。今度お礼をしたいそうです。 私からもお礼を言います。ありがとうシリウス。
初雪が嬉しいのは、楽しそうな君がいるから [back]
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