ふと目が覚めて、僕はずっと昔からここにいるような気がした。柔らかい朝日が街に漂っている。生まれたてのような空気はよく澄んでいる。ああ、おはよう。光源に目を向けると眩しくて手をかざす。
短い一日が今日も始まる。
ああ、おやすみ。闇夜は眠る番だ。おやすみ、おやすみ、消えることもできない願いたち。朝日に透かした手の色を君は知っているかい? っふふ、内緒だよ。僕の色は僕だけの秘密。静かに朝日でも眺めていよう。なあに、心配はいらないさ。また夜はやってくる。だからそれまで、ゆっくりおやすみ。僕はこうしてここにいるから。
おはよう、おはよう。僕たちの朝。君たちの夜。太陽が不平等だなんて、誰が決めたんだろう? それはいつでも、ただ世界を入れ替えるだけなんだ。
目覚め
190601 にっかり青江