風は無い。 「夕暮れには魔物が出るよ」 彼が言った。 「夕暮れには魔物が出るよ」 彼が繰り返した。 「それじゃあ」 「ん?」 「始まりだね」 「そうだね」 魔物が笑った。 そして風が吹いた 110701