大久保利通 風終幕

1日目
sub:小娘
物事の一面しか見れないくせに発言をするな。自分から頭が悪いと言っているようなものだぞ。

実に無駄な時間を使わされた。
あんなところで油を売っている暇があったら、中岡くん共々さっさと用事を済ませて帰るべきだな。




2日目
sub:小娘
全く、掃除の仕方すら知らんのか。無知にも程があるな。
水を撒くという発想が出来たのはお前にしては上出来かもしれんが、結果起こる事態を予測出来ないのであればまだまだ人には程遠い。

もっと注意力を養え。でなくばいつか取り返しのつかない事を招くぞ。




3日目
sub:小娘
なりゆきとは言え、この私が小娘ごときの為に面倒な小僧の相手をする羽目になるとはな…ああいう時は、ない頭を無理に使おうとしない事だ。ものを知らんのだから余計な言葉は一切喋るんじゃない。

この私からの忠告、ありがたく受け取るのだぞ。




4日目
sub:小娘
半次郎は腕の立つ男だが、頭と口が軽いのが難点だ。頭の軽い者同士、小娘と気はあうかもしれんがな。

…あれはつまらん事ばかり言う。お前はいちいち言うことを間に受けるな。




5日目
sub:小娘
買い物一つ満足にできないとは、分かっていたが本当に役に立たん小娘だな。

いいか!茶を飲み損ねた私と、私に飲んでもらい損ねた茶。お前は双方に損害を与えたのだ。今回は坂本くんの顔をたてたが…その事をようく肝に銘じておくのだぞ。




6日目
sub:小娘
私と坂本君の話を盗み聞きをするなど、全く困った小娘だ。
世の中には聞かない方がいい話というものがある。聞いてしまってからでは遅いのだぞ。
今は何が起こるともわからん事を、沖田との件で学んだと思っていたのだが…。

それから…念の為言っておく。坂本君が寺田屋からお前を出したのは、お前の身を案じての事だ。
いくら小娘でもその位は察していると思うが、坂本君にしては珍しくわかりにくい言い回しをしていたからな。
一応奴の為に言っておいてやろう。

まあ、この私に茶汲みとして選ばれ藩邸に来るのだ。寺田屋を出はしたが、身に余る光栄だろう。




7日目
sub:蘇芳
久しぶりに会ったというのに、お前は相変わらずだな。少しくらい色気がついたかと思ったが。
その上、子供を助ける為に海へ入ろうとするなど…
あそこは潮の流れが速いところが多い。その事を知らないとどれだけ危険か、薩摩に来て半年ではわからないのも無理はないがもっと思慮深くあるべきだな。

今回は無事助ける事が出来たが、いつもそうとは限らない。
お前が溺れた時に必ず助けられるというわけではないのだ、くれぐれも早まるなよ。

利通




8日目
sub:蘇芳
昨日の一件で懲りたと思っていたのだが、坂本君達には困ったものだ。蘇芳、お前も彼らに影響を受けているように見受けられる、節度と予見を忘れぬようにな。

それにしても…あの、シフォンケーキとやらはなかなかいいものだな。同一人物が用意するわけだから当然だが、蘇芳の淹れる茶にもよく合うだろう。
…今度は一緒に味わってみたいものだな。

その時にはお前も同席する事を許すが、くれぐれも、あいつらは呼ぶなよ。うるさくてかなわんからな。

利通




9日目
sub:蘇芳
今日の蘇芳は随分と私に挑戦的だったな。
挑むには二百年早かったようだが、初めて会ったときに比べるといくらかは成長しているようで安心した。
そうだな…私に追いつく日は永遠にこないだろうが、五十年たてば少しは近づくかもしれないな。

それから約束の事だが、これで私の方も無事果たせたな。針は飲まずに済みそうだ。
まあ、この私が約束を破るなどありえんが。

お前の気持ちを変える事は出来なかったが…帰る前に蘇芳にあの景色を、我が薩摩の町を見せる事が出来てよかった。

利通




10日目
sub:蘇芳
お前は未来から来ていたのか。この私の予想をこうも軽々と飛び越えられてしまうとは…蘇芳は実に興味深いな。

蘇芳、お前には改めて礼を言わせて貰う。私の出発点を示してくれた事、感謝しているぞ。
お前が暮らしていた時代に比べればまだまだ未熟ではあるが、お前が暮らしたいと思える国を私は作ろう。約束だ。

利通




11日目
sub:蘇芳
お前がここから帰る為の手がかりは早々に見つかったな。後はその『きいほるだ』とやらさえあれば、恐らく体も共に帰れる筈だ。
私が京に戻り次第それを渡すから、それまでおとなしく待っているように。
決して、坂本君と二人で試したりするんじゃないぞ。

しかし急に倒れた時は少々驚いた。まさかあの縄を揺らしたせいだとは思わなかったからな、一体何事かと思ったぞ。

なんにせよ、大事ないようで良かった。

利通




12日目
sub:蘇芳
お前は、そんな理由の為に未来へ帰るというのか。




13日目
sub:蘇芳

私が為す事でお前が幸せに暮らす時代が来るのであれば、私はその道を作る為に私の全てを賭けよう。

この道がいつか、そこにいるお前へ繋がると信じている。

利通





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