坂本龍馬 風終幕
１日目sub：蘇芳さん
─前略─
今日は、いろいろ連れまわしてすまんかったのう。
先の事で不安もあるじゃろう。
何でもいい、困った事があったら遠慮せずに話してくれ。
どうじゃ？今晩眠れそうかのう？
龍
２日目sub：蘇芳さん
─前略─
朝は恥ずかしいところを見られたのう・・・。
これから京の町を色々みせてやるきに、楽しみにしちょってくれ。
それと。
応援すると言ってくれた事、まっこと心強かった。
ありがとう。
わしも、おんしが無事に帰れるように、力を尽くす。
どうかもう少し、辛抱してくれ。
龍
３日目sub：蘇芳さん
─前略─
いやあ！おんしはまっこと足が速いのう！
肝も据わっちょるし、大した女子じゃ。
手は、華奢で可愛らしいのに、どこにそんな力が眠っているのか・・・。
蘇芳は、不思議な女子じゃ。
驚かされる事ばかりじゃよ。
龍
４日目sub：蘇芳さん
─前略─
ずっと居ちょったらええというのは、ワシの本心じゃ。
困らせるつもりは無かったんじゃが。
しかし、おんしはそうもいかんじゃろう。
安心してくれ。
ちゃんと帰れるように、方法を探す事はしっかりやるきに。
それまで、もう暫く、一緒に居ってくれたら、嬉しい。
龍
５日目sub：蘇芳さん
─前略─
おんしを守りたいというのは、ワシの本心じゃが。
再びおんしが危険な目に遭うような事がないのが、一番良いと思っちょる。
・・・それにしても、蘇芳は、その・・・ちくと以蔵と仲良すぎやしないかのう・・・。
いや・・・別に、構わないんじゃ。構わないんじゃが・・・。
龍
６日目sub：蘇芳さん
─前略─
薬の事。悪かった。
怯えさせるつもりは、無かったんじゃが、
おんしの肌に傷が出来ちょるのを見たら、どうにも自分が止められんくなってのう。
まっこと申し訳なかった。
龍
７日目sub：蘇芳へ
─前略─
今日はおまんを連れていってやれんですまんかった。
ワシも蘇芳と一緒が嬉しいんじゃが、男どもに蘇芳が見られちゅうと思うとのう。
それなのに夕餉を用意して待っていてくれるとは・・・
蘇芳はまっことけなげでいい女子じゃ！
龍
８日目sub：蘇芳へ
─前略─
遅くに連れ出してしまってすまんかった。
じゃが、おまんとふたりっきりで出かけられて嬉しかったぞ。
・・・今夜はいろいろあって疲れておるじゃろ。
早くおやすみ。
龍
９日目sub：蘇芳へ
─前略─
今日はほんに怖ろしい目にあってしまったのう・・・。
気分はどうじゃ？具合は悪くなってないかの？
蘇芳が笑っているのがワシにとって一番の幸せじゃ。
蘇芳が二度とこんな目にあわないように。
蘇芳が笑って暮らせる世界を作る事を、ワシは誓う。
龍
１０日目sub：蘇芳へ
─前略─
武市たちに見られるとは、思わんかったのう。
見られて困る事は何もないんじゃが・・・。
そう言えば、早起き対決は、今朝の騒ぎでうやむやになってしまったのう。
また、明日。
正々堂々勝負するぜよ！
とにかく、今日は長州藩邸に早く向かうとしよう。
龍
１１日目sub：蘇芳へ
─前略─
終わったら迎えにゆくから、退屈じゃろうが、部屋で待っちょってくれ。
今日の話が纏まれば、ワシの夢が現実に近づく。
蘇芳が応援すると言ってくれた夢じゃ。
絶対に叶えてみせるぜよ。
龍
１２日目sub：蘇芳へ
─前略─
何度だって言うが、まっこと蘇芳が無事で良かった！
蘇芳が新撰組に捕らわれたと聞いた時には、心臓が止まる程驚いた。
そして、蘇芳の身に傷の一つでも付けられてやしないかと、心配で堪らなかった。
もう、どこへも行かせたくない。
出かける時は必ずワシと行くんじゃぞ？
どこへだって、連れて行ってやるきに。
龍
１３日目sub：
行くな・・・っ！！
頼む・・・もう、危険なまねはしないと、約束した、では、ないか・・・・！！
１４日目sub：蘇芳へ
蘇芳と出会ってから、とても長い時が経ったように感じている。
今日、わしの夢が、ひとつ叶った。
いつだったか、蘇芳がワシの夢を応援すると言ってくれたな。
今日叶った夢は、その頃に見ていたものとは、違う夢じゃ。
その時には、まだ蕾だった夢だが、蘇芳と過ごすうちに、大きな幹へと育った。
その夢は希望でもあり、ワシの支えでもある。
そして、蘇芳にしか叶えられない夢じゃ。
蘇芳へ。
共に来ると言ってくれて、ワシは心から嬉しい。
ありがとう。
龍
１５日目sub：蘇芳…
蘇芳、わしの気持ちに応えてくれて、ありがとう。
蘇芳と出会えただけで――それだけで、わしの生には意味があった。
蘇芳。
愛しておるぞ。
龍
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