夢の跡
ここは例の神社
そして俺の手の中にはあみの小さな手
あみの顔を覗くと今にも零れそうな涙が珠のように光っている。
小さな手をぎゅっと引き寄せ、自分の胸の中に閉じ込める。
「あみ泣くな…」
「晋作さん…もう…さよなら?」
俺は何か言葉を発しようとするが…声が出ない。言葉が見つからない。
「…」
「…」
ざあっと周りの木々が音を立てて震え、突風のような風が二人の間にも駆け抜ける。
それと同時にあみを強い閃光が包み込み、今の今まで手のひらにあったあみの手の温もりが消えていった。
「あみ?!あみ〜〜〜!!!」
ただ自らの声だけが響いた。
.
[ 8/40 ][*prev] [next#]
[top]