出会い 20120921
高杉さんはなんでこっちに来たんだろう?
どうやったら元の時代にかえしてあげられるだろう?
そもそもかえせるの?
彼が帰らねば、時代の流れはどうなるのだろう?
「ふふっ」
しばらく考え込んだ藍は笑いがこみあげてきた。
藍は目の前の人物を「高杉晋作」であるとした上でいろいろと考えている自分に苦笑したのだ。
(私がこんな非現実的なことを考えるなんてね…)
直接的には誰もはっきりとは言わないが、「普通の人」に比べれば物事に冷静で、時には冷たいと映ることもあるくらい現実主義者であることを藍は自覚していた。
そして、友人も家族もその様に扱っていることに気付いていた。
年齢よりオトナといういい方ならまだしも、年寄りだといわれ、何か異質なものだといわれたように思っていた。
(何かが分かるまで高杉さんを保護するしかないか…)
藍はテーブルの上にあった携帯電話を取り、メールを打ちはじめた。
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TO:義くん
sub:おはよ〜。
今日か明日、時間とれる?相談したいことがあるんだけど…。連絡待ってます。
藍
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「送信!っと」
手早く兄宛のメールを作成し、送信すると瞳がキラキラと輝く高杉さんと目があった。
「それはなんだ!何をしたんだ?」
「これはケータイです。で、今はメールを送ったんですよ。えと…文?にあたるのかな?」
「けーたいはわかるぞ!蘇芳も持っていたからな。
それにしても…文?何も書いてないじゃないか!」
「この中で文章を書いて、それを送ったんです」
その説明ではわかりにくいだろうし、想像もできないだろうけど、それが事実なのでそのままにしておいた。
案の定、高杉さんの顔は?だらけの表情になっている。
「もう多分相手に届いてますよ?」
♪〜♪〜
「ほら、返事きた!」
そういいながら、メールの内容を確認した。
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FROM:義くん
sub:Re:おはよ〜。
了解。今日は午後からなら時間あるからいつでもいいぞ。
俺も話したいことがあるんだよ。
場所と時間を指定して。
あと、もう荷物届いたから部屋に放りこんどいた。
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興味津々という文字を顔に張り付けた高杉さんを横目に藍は思案する。
(場所か…ここじゃ流石に不味いよね?義くんだしな…)
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To:義くん
sub:Re:Re:おはよ〜。
じゃ、昼過ぎに家に行くわ。
またあとで連絡するね。
藍
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手早く返事を作り、送信すると、携帯をテーブルの上に置いた。
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