出会い 20110407
(100歩譲ってこの目の前の人が高杉晋作としたら…
薩長同盟の翌日に高杉晋作がいなくなったって…かなりまずいんじゃないの??
その後は「高杉晋作」が活躍することのオンパレードなのに!!)
「でも、タイムスリップなんてありえない…」
小さく一人ごとのように呟けば、
「たいむすりっぷ!!そういえば蘇芳も初めて会った時にそんなことを言っていたな」
と高杉さんが反応を示した。
「蘇芳ちゃんが?!」
この男が「高杉晋作」じゃないことを証明するのにやっきになっていて、すっかり「蘇芳ちゃん」のことを聞くのを忘れていた。
「ということは、蘇芳ちゃんはその時に居たって事?」
「だからさっきも言ったじゃないか。長州藩邸に逗留しているぞ」
高杉さんは蘇芳ちゃんから聞いた彼が生きる時代に来た経緯を話してくれた。
(信じられない…でも、どこでいなくなったかとか最後に誰と一緒に居たとか警察が発表していない細かい事までこの人知ってる…)
「あいつは俺の女だっていってるのに、小五郎とことあるごとにいちゃいちゃしているし、他のやつらもことあるごとにちょっかい出してくるし…全く…」
(高杉さんがいう小五郎って桂小五郎しかいないよね?
桂小五郎と蘇芳ちゃんがいちゃいちゃって何それーーーーー!!!!!)
一気に入ってきた色々な情報で頭がショートしそうになった藍は頭をブンブンと振って一度冷静になろうとしていた。
「あはは、なにやってんだお前」
藍が振っていた頭を捕まえ、ガシガシと撫で、大丈夫かと顔を覗きこんでくる高杉。
「信じられない…」
「信じられんよなぁ。おれも未来がみたいとは思っていたけど、蘇芳の生きていた時代にこれるなんて思わなかったぞ」
「え…いや、私はタイムスリップ自体が信じられないって言ったんですけど」
「あぁ、そうか、そうだな、いきなりそんなコト言われても普通は受け入れられないよなぁ。でも、蘇芳が来てるからな。」
高杉さんはカラカラと楽しそうに笑った。
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