周章狼狽4

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(長州藩邸 桂小五郎)

坂本君の使いで中岡君が来ていた。

晋作は坂本君からの文に目を通し、顔をあげた。

「内容はわかったと坂本に伝えてくれ!
ところで、蘇芳はどうしてる?元気か?今日は一緒じゃないのか?」

「姉さんは今日は寺田屋です」

「そうか、残念だな。次は連れてこいよ!」

「どうでしょうかね?多分皆から極力外に出ないように諌められているでしょうし」

「おやおや外出禁止かい?一体蘇芳さんは何をやらかしたんだい」


私たちは中岡君から経緯を聞いた。


‐‐‐‐

「なんだと〜!俺の女にちょっかいを出すとは何処の馬の骨だ!!!許せん!」

「しかし、蘇芳さんだけで行くというのは感心しないね」

「でも姉さんは頑固で一度言い出したら聞かないんですよ。皆で説得したんですが…」と中岡君は肩をがっくり落とす。

(武市君を含めて説得しても駄目だったのならば止めるのは難しいようだ)

「俺が付いていく!色んな意味で危なすぎる!」と晋作が立ち上がる。

「晋作…その日は外せない会合がある日だろう?」

「そうですよ。こちらもその日に限って皆予定が入ってて…だから弱っているんですよ」


少し思案していると晋作が
「小五郎、蘇芳に気付かれないように見てやってくれないか?」と提案してきた。

「うん。私もそれしかないかなと思っていた」

中岡君ははっと顔を上げ、
「本当ですか?そうしてもらえると助かります。よろしくお願いします!」と深々と頭を下げた。

「うん。その者が何処の者か解らない以上は把握しておかないといけない。他に狙いがあってもいけないしね。」

「素直じゃないな」と笑う晋作に「誰かさんに会合すっぽかされたら困るからね。」と笑みを返した。


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