青花
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武市さんとあの雨の夜に寺田屋で別れて半年以上経っていた。
『すまないが…』
そういって端正な顔を歪める武市さんを何度思い出しただろう。
彼を思って何度涙を流しただろう。
寺田屋での何気ない日常を何度恋しく思っただろう。
あの夜から刻々と過ぎていく時間の中で、自分の中にあるもの、いや、あったものが少しずつ変わっていくのを感じていた。
この半年は「会えない」や「連絡がない」ということがどれほど辛いものか実感した日々だった。
電話やメールを使える現代にいた自分にとっては気が遠くなるくらいの時間だった。
周りの優しい人たちの心遣いや支えもあって少しずつ自分の硬くなっていた心が解け、当初は武市さんへの想いを書くために桂さんから学び始めた文字も、ちゃんと見れる文字が書けるようになった頃には自分の気持ちを整理し、それを伝えるために書いていた。
武市さんの手元に届き、読んでくれただろう。
私には確認する術はないが確信をしていた。
「よし!今日も頑張ろう!」
きれいに晴れた空を見上げて大きく伸びをすると、桂さんが待つ台所へ向かった。
アトガキ→
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