“まるで恋人同士みたい。”



銀くんに身体を弄られ、快感に溺れて朦朧とする意識のなかで、ただ率直にそう思った。



あの子と付き合っていた期間は、まあ何ヶ月かあった。でもその中で彼女に恋愛感情を抱いていたのは正直なところつい最近になってからだ。
本当はそれまで、銀くんの事が好きだった。
銀くんに恋愛感情を抱き始めたのは中学校の2年くらいだっただろうか。いつでも一緒にいてくれて、てきとうなくせに真面目なとこにどんどん牽かれていった。でも高校生になり、あの外見で来るもの拒まず去るもの追わずなあの性格の銀くんの周りにはいつも女の子がいるようになって、醜いとわかりながらも嫉妬心も湧いた。
僕も銀くんも男で、恋愛感情を抱くなんておかしくて、何度も何度も嫌いになろうとしたんだ。でもできなくて。
そんなときあの子に告白された。
近くの席で、結構仲が良かったのは覚えてる。僕は、自分が最低なことをしていると自覚しながらも銀くんに抱いていた感情を忘れるため、あの子と付き合うことにした。
今思えば、手を繋いだことも、キスをしたこともなかった。でも、一緒にいるうちにどんどん好きになっていけて、望みどうり銀くんに抱いていた感情は消し去ることができた。



「銀くんのせいだ…………、銀くんが…」

「…し、んぱち。悪かった、もうこんなことしねえか「違う…!………せっかく、せっかく銀くんのこと…、ぼく、…っ…」

「………は?」

「…こんなこと、こんなことするから、…また好きに……っ…………、もう、っ、やだ……、こんなの勘違いする…」

「勘違い…って」

「…こんなのまるで、……銀くんが…、僕のこと、…好きみたいじゃんかあ…っ…」



次々と溢れ出す感情と涙はいつまで経ってもとまらなかった。



銀くん、困ってるよ、なんでぼく、あんなこと…



「…好きだよ」

「…へ?」

「“みたい”じゃねえ、好きなんだよお前が。」




7へつづく。



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