「…っ新八!?」
「やめて…、僕はいいから…、やめて、銀くん…」
白く細い新八の手は、俺の手を震えながら必死に掴んでいた。
「…、おめぇ…聞いてたのかよ、こいつらの話。」
「わ、忘れ物して、取りに帰ったら銀くんの姿見えたから…、行こうとしたら…」
途中から聞いちゃった…。、と少し潤んだ瞳で小さな笑顔を作りながら俯いていた新八は蚊の鳴くような声で答えた。
「僕…、馬鹿だよねぇ…。」
目尻に溜まった涙がぽとりと落ちたのが見えた。
『新八を泣かした奴は俺がやっつけてやるからな!』、幼き頃に言った台詞。
女の子みたいな容姿に引っ込み思案で泣き虫なこいつは昔からいじめっ子みたいな奴に目をつけられやすかった。
いつも、いつも、それを俺は助け、そう約束事をしたのだ。
でも、やめてやめてと俺の手を必死に掴む新八を見ていたら、あいつらに何かやらかすような事なんてできるはずもなく、そのまま新八の手をひきその場を去った。
4へつづく。