道場の前には箒を持った妙が居た。



「お妙。新八は…」



「やっと来ましたね。…部屋に居ますよ、行ってあげて下さい。」



わりぃな、と一声かけ中に入ろうと戸に手をかける。



「銀さん……。次新ちゃんを泣かしたら許しませんからね。」



「……分かってる。……悪かった。」



ガラガラと古びた音を立てて開く戸。
新八の部屋までの道程は、足に染み着いている。
部屋の前に着き、襖を開けると盛り上がった布団。



「…………あね、うえ?」



相変わらずの部屋に響いた新八の小さな声は、静かに消えていった。
何日かぶりに聞いた声。
それはいつもみたいな優しい声じゃなく、悲しみに満ちた涙声だった。



「…俺だよ、新八」



「ぎ、銀さっ…!?」







3に続く。


短くてごめんなさorz
次、新八視点。



 
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