※ 綱海と佐久間
※ 年齢操作(高校生)他注意
※ エロくないけど一応R-15




1日の事が全て終わって明日は休み。ふわふわする。
「アイス食いたいな」
余裕に脱力した体をだらしなく床に寝そべらせ、観ていないテレビを見つめている、無駄を極めたような時間だが、2人にはこれが常だった。
「アイス…うん」
「食いたくね?」
「つなみおもい」
「行こうぜ。コンビニ」
さっき風呂から上がったばかりで髪も濡れてるし少しだるい。初夏の涼夜に出かけるなんて、とても魅力的なのに立つのも面倒。
佐久間は目をつむったまま、床にひろがった髪をつまんだ。
「でもまだ…髪も乾いてないし…ねぇ、おもい綱海」
「あー…オレもか」
無造作に跳ねる髪を乱暴に指ですくのを、間近で見るのは少し照れる。この長い指はとても好き。
首だけわずかに動かして、時計に目をやると時刻に驚く。なんと風呂から出て1時間も経っていた。では1時間このままの、下着も同然の姿のままにだらだらとこうしていたというのか。
いつものことだがさすがに今日はやり過ぎた。
「うわ嘘10時過ぎてる」
「えっマジ?」
「だらけ過ぎた…」
そう言って起きようとするが、叶わない。綱海の体は佐久間の体の上にあり、重なってこうして床に寝ている。涼を求めて風呂上がりには必ず毎回床に寝転ぶ佐久間の癖を、綱海は時々こうして利用するのだ。
佐久間はもちろん動けないし、綱海はもちろん動かない。
「どけよ。重いんだってば」
「んー…」
「コンビニ行くんじゃないの」
「いやぁ……」
暇そうに床に投げ出されていた腕が体に巻き付いてくる。佐久間は少しくすぐったそうに胴をよじるが抵抗はしない。
猫のようだ…。綱海は佐久間のこの細いくせに柔らかく、色気の無いのに女らしい、矛盾がつくる綺麗な身体を心底気に入っていた。

「離れがたい…」

呟きにしても重なっているのだから、聞こえなかったことは無いだろう。
薄い布1枚隔てて向こうにある湿った肌に、そのさらに奥にある臓器の震えが心地好い。なんて乱れた姿だろう。だらしないというに相応しいこの様を、端から見たことを想像したら可笑しく思えて笑えてきた。
「ひどい格好だな、オレら」
「だっ、…、綱海が、綱海が乗るから…」
「あれ何お前顔赤い」
「離れろすけべ!」
「だって気持ちいいんだもん」
床に手をついてようやく上体を起き上がらせる。目下に敷かれた恋人の身体は、もったいないなと思う位に美しく思う。オレのだと言って見せびらかしたい。だけどひとりじめしてるのも気分がいい。
今の今まで頭を乗せていた柔らかい胸部に、下着がよれて張り付いていていやらしい。
「えろ」
「…、…ばかじゃん」
呆れながら起き上がってくる体に避けず、待ち合わせたように唇を食らう。
佐久間は当然驚いて、反射的に体を引こうと綱海の肩に手を当てた。綱海はそれを見越していて、頭を抱えて逃がさない。
こんな自分に付き合えるのだからいやらしい女かといえばそんなことは全く無い。
「……す、…」
「んぁ?」
「……するときはいって…!」
よくもまぁこんなにうぶで居られるものだ。
「いいじゃん」
「だめ…!いって!必ず…」
「したくなったらしちゃうじゃん?」
「そんなのわかんない!いいから言って!」
「じゃあする」
「今?」
「今」
「だめっ」
「ハイ却下」
訊いたら拒否されるのはわかってる。並の照れ屋に収まらないし、その先にもつれ込むのが嫌なことはよく知ってる。
「いみない!」
「こっちのセリフ」
「コンビニ、行くんじゃ、ない、の、か?!」
「行くよ」
暴れるけれど効果は無い。佐久間は小さいし綱海は大きい。
ちゅっ、と音をたててひたいに1度。唇に1度、触るだけのキスをして、
のそのそと立ち上がり、ベッドに放られていたTシャツを拾う。
「アイスアイス」
「……、…」
「…お前なあー
いい加減慣れろよ」
「だっ、て…」
この娘と体の経験もある。長い付き合いだ1度や2度ではないのだが、もしやそれは夢だろうか。
2人きりの気兼ねない部屋で、キスだけでこんなにも茹だってしまう。よれた下着姿に羞恥は無いくせホラ着ろと投げたブラジャーに慌てる。
「なっ、やっ…
…勝手にさわるな!」
「え、散々脱がしてきたのにいまさら」
「ばか!」
それとこれとは違うんだから!と混乱のままにわめいているのも別に恐くない可愛いだけだ。いそいそ服を着ているのを見られていたと気付いたら、また佐久間は怒るだろう。
「お前の沸点わかんねえな」
「沸点?」
「わあー恥ずかしいよーばかーやめてよー
…ってなる、ライン」
ブラジャーのホックをかける後ろ姿を腕を組んで見ている。日焼けはしているが綺麗な肌だ。
「…、そんなの…自分だって…」
振り返りながら相槌を打ち、目が合って直ぐに見てたの?!と声を上げる。思った通りに真っ赤になるのでおもしろくて、つい笑う。



ラグ・オン・デート
【Lagu on date】




コンビニに着いたら午後10:56

目的のアイスと堂々、避妊具をレジに出すが怒られない。
ばかとか先に言ってとか、あれ、どうしたかなと横を見たら、
言葉を失うという表現は、こういう時に使うんだな。





2011.05.29







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綱佐久♀でリクエスト頂きましたが内容の指定は無かったのでいつもの見切り発車and暴走でこんなことになってしましましたすみません。なんかだるいね。でもこのだらだら→ゴールインが綱佐久♀のアッゴミン黙るゥ
お気軽にご返品ください。なんか気付いたらR-15的なことになってたし…(事故)

るー様リクエストありがとうございました。本当に…本当にすみませんでした……

【Lagu on date】
ラグの上のデート