※ 源佐久とあれこれ(高校生)
※ ふざけ気味(源田がアレ気味)
※ 風丸さん(♀)と照美(神)


彼女が制服を脱いでいる場面に遭遇する、という奇跡。
次の瞬間近場にあった物を投げつけられようとも。

「お前だったのか…悪い…」
「いや、怪我はしてないけど…」
さすがに辞書の入った鞄を渾身の力で投げつけられれば、
幾度となく強烈なシュートをとめてきたキーパーであろうと手ぐらい痺れる。
「よくこんな重い鞄片手で…」
「だ、…大丈夫か?骨に異常とか…」
細身のくせに卑怯な腕力じゃないか。火事場の、とかいうやつかも知れないが、そんなことよりはだけたシャツをどうにかしてからしゃがんで欲しい。
「はー……」
「い、痛い?痛いのか?」
「胸が痛い」
「胸が?!」
こうも無垢だと襲えない。箱入りっていったって限度というのがあるだろうと思うのだが、一応こいつの恋人な筈なのに
…生殺しも良いところだ。



「色気がない?」
「今に始まったことじゃないじゃないか」
彼女の脱衣に遭遇したのは事故だったが、もう一度を期待するのは男としてまた彼氏として正しい。
翌日も勇んで彼女の自室を訪ねると、数少ない彼女の"女友達"が2人でお茶を飲んでいた。
「そう…言われてもな…」
「今さらどうにもならないんじゃないかい」
「照美!ちょっとは相談にのってやれよ」
そういえば佐久間はこの曜日この時間、習い事がある。終わるのを待っているらしい2人に昨日のことは話さず、彼女のいまだに女子の自覚が薄い一種の病気を相談してみた。
「だって仕方ないじゃないか。あれは治んないよ。というか、ああなんだよ。生物として」
「色気がない生物…」
「そうそう。だから無理」
絶望的なことを言われながら、源田はそれよりも他のことに意識を飛ばしていてそれにはあまり堪えない。
「聞いてる?失礼な男だな君は」
「照美…」
「セーラー服か…」
「何、セーラー服?」
そういえばセーラー服を着た彼女を見たことがない。見たい。
源田の意識は照美の着ている学校指定のセーラー服。
帝国はエスカレーターで、少々変わった形のブレザー。小中高でデザインは変わるが基本的な様相は変化が無い。
見たい。
佐久間のセーラー服姿…

「この子ちょっと頭弱いのかな」
「輝美…さっきから失礼っていうか…言い過ぎだぞ」
「女子の制服っていくらぐらいだ?男子とそうかわんないか?」
「ほら頭弱い」
「え?!源田どうしたんだ?」
とんだ発言の意味を訊ねると源田は包み隠さずあっけらかんと全て吐いた。あまりに事も無げに言うのでフェチズムに引くどころか納得しそうになるではないか。
「買って渡したら着るだろうか」
「……買うの?」
「雷門の制服も地味だが清楚で可愛いよな。渡せば着るかな」
「いや着ないと思うけど…」
「うん…そうだな…普通に考えて、着ないよな…」
この堅実に貯蓄でもしてそうな男が高校生の個人的な買い物としては異端で高額なものを堂々と欲しがるので、ある種の男らしさを感じるのを禁じ得ない。
「サイズとかわかるのかい」
「論点ずれてないか」
「さあ…風丸とたいしてかわんないんじゃないか」
「まぁ…そうかな」
「でもね、セーラー服は身幅が合わないと浮くよ」
すると源田は立ち上がり、仮にも女子の部屋の収納を何の気兼ねもなく開けた。2人が驚き目を見張る先で、佐久間の制服を取りだしタグを見る。
「あ、そうか。帝国は規定サイズが無いんだ」
ぼつりと言って制服をしまい、収納を閉めて何事も無かったように座る。
「でも風丸と同じサイズでいいと思うが」
「…源田君。君すごいね」
「何がだ?」
動機までは聞いていないが、聞かずともよこしまに違いないのに誠実な気がしてきた。
「…協力してあげようか」


「とりかえっこ?」
しばらくして身の丈もある琴を抱えて和服の佐久間が戻ってきた。
「あー…あの…帝国の制服着てみたいなあ…って…思って…?」
照美の企みに強いられて風丸は佐久間に嘘をつく。まったく、面白そうだと思うとこうだ。照美の奔放さに振り回されるのは今回ばかりのことではない。
「いいね、面白そう。写真撮っていい?」
「え、さ、佐久間も、…き、着るんだぞ…?」
「3人で回しあいしようよ。楽しいよきっと」
ぎこちない風丸とごく自然に計画を進める照美。佐久間はまったく疑わなかったが、珍しくしぶる。和服の着脱が面倒らしい。
「いいから早く脱ぎなよ。君はセーラー服を着るんだからね」
「えー…?…わかった…」
少しは疑え、と思いつつ、風丸は帝国の制服に腕を通した。





***

オチを考えずに書き始めるから収拾がつかなくなるんだはいボツ
どうでもいいけどボツは大体昔書いて放置してたお蔵出し物です。古いよ。



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