※ 佐久間♀が世界の妹
※ 一人称・捏造氏名・ありえない設定他注意
※ 登場人物多すぎててんやわんや状態
※ ノリがなんか騒がしい



世界大会ではひと試合ごとにチームの成長が見てとれた。
個人の技術力はもちろん、激戦をくぐり抜けたという経験が仲間の絆を強くする。各々が全く違う土地で育ち、全く別のチームに属していたのに日本代表は仲が良い。
そしてその仲間意識は、キャプテンを中心に、他国の代表チームにまでも広がっていた…

「仲、悪っ…!」

はずだった。
戦いを征して日本の宿舎は夜通しお祭り騒ぎだったが、翌朝からの険悪なこと。決勝にて敗れたコトアールのキャプテン・ロココがわざわざ祝辞を伝えに来て、まず言ったのが先の一言。
宿舎の空気はそれはひどくはりつめていた。

「いいじゃない!握手しようとしただけダヨ!」
「いいや。今抱きつこうとした。握手の構えではなかった」
玄関ホールでは何故かアメリカチームのディランと日本の司令塔・鬼道が睨み合っている。
そしてその鬼道に加勢する、虎丸、小暮、立向居。
「僕だって見ましたよ!絶対抱きつくつもりでしたよね!」
「そっちの国だったら訴えられてるよな〜」
「女性に、急に抱きつくなんて、…い、いけませんよ!」
鬼道達の後ろには、仁王立ちの円堂、綱海、…誰だ?あれ。
「ロココ、いらっしゃい。酷い状態でごめんなさいね」
「あ、な、夏未!どうしたの?ケンカなの?」
「うーん……」
夏未の説明はわかりやすかったが、内容が理解し難かった。
「サクマ…?」
「そう。今はあの軍団の真ん中に隠されてるから見えないけれど、眼帯の女子選手がいたでしょ」
「いや、うん、わかるけど、…サクマがどうしたって?」
「…だから、これの、……原因なのよ…」

ディランの後ろには同じアメリカチームのキャプテン・マーク。ディランに加勢して日本にわいわい抗議している。…アメリカチームとは…仲が良かったんじゃなかったっけ…?
2つのチームの間には、日本のマネージャーとアメリカの土門がハラハラと事の行方を見守っている。
「ユニコーンもお祝いに来てくれたんだけど、…佐久間さんに抱きついたりキスしたり…まぁ…文化の違いでね、…」
「…つまり、ディランは、サクマが好き?」
首を傾げながら夏未に問うロココ。やはりいまいち状況が飲み込めないようだ。
「…気に入ってはいるようね」
「それで?」
「……つまり、ディランだらけだと思ってくれればいいわ」
とうとう説明が面倒になったのか夏未は投げやりに言ってため息をついた。しかしこれは的確だった。ロココはなるほどと頷いて、改めてこの状況に驚いた。
「…みぃんな…サクマが好きなんだねえ…?」
ひきつるのも無理は無い。
実はロココも佐久間が気になっていた。宿舎に来たのももしかして、一目でも見れればいいなという気持ちがあった。
呆然としてしまう戦場を傍観していたら、依然、騒然としている玄関ホールに、堪り兼ねた久遠監督の怒声が響き、全員が罰則ランニングを命じられた。

ロココ、土門は罰則を逃れたが、可哀想なのは佐久間である。原因とはいえ彼女は悪く無いだろう。律儀に走るあたりが素直だ。
「ドモン…だよね?」
「おう。そういうそちらはロココだよな」
「はじめまして、ドモン。君とはサッカーの話もしたいけど、今はこの状況について聞かせてくれる…」
「…長くなるけど」

土門の説明はだいたい夏未と同じだったが、ロココが顔も名前もわからなかった仁王立ちの誰かが“ナルカミ”で、土門が日本に居た時に同じチームでプレーしていたコウハイということが新たにわかった。サクマとも同じチームで、代表じゃないけど決勝を観に来てたらしい。
「ナルカミ、も、サクマが好き」
「まぁ、なついてるかな」
そして今走らされている中に居る長身で体格の良い男も見たことが無い。あれは“ゲンダ”でサクマの幼馴染み。なるほど。アレもサクマが好きなのか。
「サクマは大変だなぁ…」
「まぁ、日本でもああだけど、海外にももてるタイプだったか。災難だなぁ…」
はは、と乾いた笑い。日本でも余程だったらしい。
「カワイイもんねぇ…」
「げっ!…お前もか…」
「え?カワイイって言っただけじゃない」
この会話、別段大声だったわけではないが、ランニングを終えたサクマを好きな“アレコレ”が、ずんずんロココに近付いて来て なんか佐久間の事を言ってた と、迫ってくるからたまらない。これで当の本人は、一体どういう気分なんだろうか?

「からかってんだろ」

隙を見て訊いてみれば、けろりとこの態度。
からかってる?
嘘だろ!報われなすぎる!
「、サクマ、それは無いんじゃないかな…みんな、サクマが好きで」
「いーや。からかってる。みんなしてからかってる。別にディランとマークだけじゃない」
…ちょっと怒ってるみたいだ。これでカワイイからとか言ったらもっと怒りそう。やめとこ。
ロココはランニングの後になんとなく始まったミニゲームに入っていった。キーパーが2人ずついるという本当にお遊びのゲーム。
しかしこれがいけなかった。
佐久間は1人ベンチに残され、目敏く厄介な人物にその隣を占領される。

「貴方は参加されないのですか」
「エドガー…久しぶり…」
「一昨日お会いしましたよね」
「あー…そうだっけ」
「フフ…それほど会わなかった時間を長く感じて下さったんですね」
「………」

コートでディランがわめき出す。何事だろうと振り向けば、佐久間の隣に厄介な色魔。ロココが居たから安心していた面々が、佐久間の元に走ったり、ロココを理不尽に非難する。
「なんで離れたんだよ!」
「そんなこと言われても…!」
「あいつ油断も隙もねぇから厄介なんだホント!」
「サクマぼーっとしてるから…」
右手をエドガーに取られながらもぽかんとしている佐久間を見れば納得もする。恐らく大半が恋愛感情というよりも、可愛らしくて危なっかしい佐久間の保護者の気分なのだろう。
佐久間の左手を掴んだ豪炎寺が思い切り体ごと引き寄せて、エドガーの(魔の)手を払う。引っ張られて立ち上がった佐久間はやはりいまだにぽかんとしている。エドガーがさっと立ち上がり、豪炎寺に抗議を始める前に佐久間は風丸・吹雪に保護された。
「よしよし怖かったな」
「え…こわくはないけど…」
「変なことされなかった?大丈夫?いろいろ無事?」
見事に結託しているイナズマジャパンに感心すらする。




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終わりが見えない。ボツッッ≡≡⊂( ^ω^)⊃




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