※ R18
※ 年齢操作(佐久間16歳)







魔女め!

無地のトップスに皺が寄る。肩紐がするりと落ちて柔らかい二の腕に静かに食い込む。
罵ってやりたい。堕落の魔女め。

「アッ…!痛っ…」
「うるさい」
「…、……、」
薄手の布に染みが浮き出る。汗ばむ体が薄ら光り、目が赤くなる。今に泣く。
台所は少し肌寒かった。
暗く、ほんの僅かな灯りの中で、抱けば折れそうな女をむさぼる。
痩せた女だ。腕も脚も首も細くて、どう見たって貧相な体。どこにそそる?何の用もない。
魔女だから騙される。誘われる。

「ハァ…、ッ、…痛」
「………、……」
首を舐めて噛む。時々痛がる。
耳の裏まで舐める。体が強ばる。
「…、おまえが」
「……、…?」
「おまえがわるい…!」
口に吸い付くと息を飲んで怯える魔女が、本当はただの女の子で、なんの力も無いなんて知ってる。
夢中で舌を舐め回しながら久遠はあきれ果てていた。

相手は娘と同い年の、
若いというより幼い子供だ。

いやらしく身体中を触る大人の手を、拒否に押し返す力も無い。
このなんの言い訳もできない状況に頭が痛い。それでも止まれない。俺は操られている。
口付けがはがれる一瞬一瞬大きく膨らむ肺がひどく苦しそうな音を立てる。
久遠はそれでも止めなかった。とうとう泣き出した少女の涙が舌を鋭く刺激する。
ともすれば潰してしまいそうな乳房。
綿のトップスはもはやよれ、汗と涙で広範囲に渡り色が濃い。その裾がプリーツスカートにおさめられ、スカートの裾さえ折れ上がっていた。
こんなものを着てる女に用は無いはずだ。
スカートの向こうに見える脚。黒いナイロンのストッキング。制服なんて、そんなはずは無い。
「佐久間」
「…、ハイ」
「痛いか」
この娘は、こんな風に俺に、
「……、ちょっと」
好きにされていていいわけがないんだ。
「…そうか」
「………」
額にキス。首、肩、鎖骨、紐をずらし、胸の谷間に舌を這わせる。
「…!」
このうぶな反応が好きなわけじゃない。
女はだらしない方が好きだ。
勃起する男性器に興奮するような女が良い。
「…、か、……、カントク…」
「うるさい」
「……、…ハイ」
真逆だ。
子供で、清楚で、何も知らない。
無垢がむかつく。
綺麗な目だ。こんなことをされていても。
「…さむいな」
「は……、イエ、…別に…」
口を拭って顔を上げる。すると背丈の差がすごい。
壁に追い詰められた子供は震えて見えた。凍えて震えていたのではあるまい。
唐突に乳頭を口に含む。
間髪入れずに舐めて吸う。
布越しでも伝わる柔らかさがどうにもたまらない。
要所ばかりがふくよかな身体。まだきっと“女”では無い。それでも子供を生める体だ。
清純と誘惑が同居する。その色に狂う中年の男がこの娘は恐ろしくないのだろうか。

肩紐を下げて乳房をさらす。それで脱がせない不便に腹が立つ程にこの先の行為に理性が飛んでる。捲り上げて噛めと命ずればおずおずと着たままのトップスを噛む。くわえた唇が妙に赤く、いつもより肉厚に見えた。
でも、今はそれよりも、続きを。
ごわりと厚いスカートに手を入れて腰にとどまるストッキングに親指をかける。これを脱がすのはまどろっこしい。涙がにじむ目を睨み、荒い息で訊く。
「破いていいか」
はっと息を飲んだ小さく可憐な反応に、よっぽど酷くしてやろうと思う。加虐的な面は把握していた。しかしこれ程までに掻き立てる相手は他に居ない。
「困ります……」
消え入りそうな返事。
ぱら、と落ちるくわえられていた裾。
久遠は黙ってストッキングを下ろしに屈む。ストンと足首に落ちてたまったナイロンの生地が、やはりいやらしいのにどこか清楚だ。
少し湿ったショーツを撫でる。
足元で小さな爪先が、床の黒い繊維を越えて自分の足の間に収まるのが見えた。少し冷たい指。髪をかぎながら体を抱えて硬く隆起した股間を押し付けると、少女はぴくりと小さく震える。
「笑える」
「……、なにがですか…」
「子供に欲情する俺が」
「…………」
「濡れてるか?直ぐいれたい」

「……訊かないで。好きにして」

胸の中で泣いたみたいにつぶやいたくせに叫んだようにも聞こえた声が、やたら切なくて泣きそうになる。

肉体関係と別の場所にこの感情があるなら。

いつもそれを考える。
立ったまま、着たままに事をはじめると、この関係の未熟さがまるではっきりと浮き彫りになるように思えた。
成熟しきらない若く幼い女子の体。痣と切り傷がこの娘の努力を体現する、おそろしく美しい体躯にそそる、理由が無いとかあり得ないとか、捨てればいいんだそんな欺瞞。本当はわかっている。
身体の造型のことじゃなくて、こんなに愛しくて愛しくて馬鹿みたいなのは、
この娘の精神がこの肉に宿り、骨に住み、血に巡っているからだ。

なによりも芯に寄せる思いが、俺を裏切って純粋なのが後ろめたい。
真剣に想ってる?おそらく。
今?この歳で!
10代の娘に、娘と同い年の…
この、途方もない障害の向こうに繋がれた子供を、己の人生の道連れにしたい。
その障害を越える努力を果たしてどれほどできるだろう。

「あっ、…あッ…!」

突き上げられて喘ぐ喉が反る。
細い指が控えめに肩にかけられていて、それが無性に口惜しい。
「腕を回せ、首に、…」
「…っ、…ン、ッく」
「はやく」
「ァ…ッ、う…ッ!、…」
余裕も無いか…
唇に歯を立ててうめく表情を観察してから、柔らかい膝を持ち上げて体制を変える。繋がった部分がぐるりと擦れて性行為特有の音が鳴る。膣から溢れる液体が、やがてくるぶしへ。そして床にたまっていく。
指示通り台所に手を突いた佐久間は早々に再開される運動に戸惑った。
普段よりもペースが早い。焦っているようにすら思えた。

「あうッ、ンッ、…ふ、ぅ、」
「……ッ、…く」
「あっ!あっ、…」
腫れて佐久間が高く鳴く。
尚充血する陰部が憎い。
結局今日もやめてと泣くまで止められなくて益々募る罪悪感。
じゅる、と滑る性器の摩擦。
抜き取ると佐久間はそのまま床に崩れていった。

「…………」
「……、…、、…」
細かい呼吸が苦し気に続き、台にかけられていた右手もやがてずるずると滑って落ちる。

「…止められなくなる」

「…?」
薄目を開けてこちらを見る顔。色っぽい。卑怯なくらい。
「お前は、危険だ」
「……、きけん?」
「……止められなくなる」
足裏に流れ込んでいた2人の体液が、指の間で泡立っている。
「…風呂に」
「……かえらなきゃ…」
「………」
「……カントク」
「…そうか」
「……」
佐久間は立ち上がり、床で無様に丸まっていた下着を拾う。
「…どうした?」
「いえ、足だけ洗います…」
すれ違う時に荒い呼吸。
震える唇が何を言いたいか、察するにはあまりに俺は老いた。








魔女の条件
【 A witch's conditions 】






2011.11.27.





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