※ 源佐久高校生(R-18)
※ 一人称・氏名捏造他注意
※ 鬼道さん戻ってきてる



恋人とはいえ他人の誕生日を祝うのに、こんなに落ち着かない男も珍しい。
佐久間の誕生日を明日に控えて源田は完全に挙動不審だった。幼なじみから成立した関係にしては珍しく、源田は佐久間を非常識なほど大切に多少過保護にして、まさに目に入れても痛くないような可愛がり方をしていた。
普通恋人に使われる比喩ではないがまさにそれだった。ちやほや、というのとは違う。とにかく可愛くてなんでもしてあげたいというような接し方に、時々佐久間もまいっているのだが、この平和なカップルを周囲は大いに応援していた。

「源田、もしかして明日何か企画してるのか?」
「うわっ!、き、鬼道か…いや…ま、まぁ」
「あんまりそわそわしてるとバレるぞ」
歳に似合わない落ち着きを備えているのが源田なのだが、佐久間の事となると途端に冷静さを失う。こんな姿ファンが見たら卒倒するかもな。佐久間好きすぎでわけわかんなくなってるこんなところ。
「企画というか…」
「まあ、相手は佐久間だからな。バレるってことは無いだろうが」
「解禁なんだ」
体格のいい男が頬を染める姿など見たくはなかった。
しかし大事なチームメイト、友人が、えらく嬉しそうに、しかもこんな仏頂面の奴がにやにやと、喜びを抑えられないくらいになっているのを白けてさめさす程非情ではない。
「そうか。よかったな」
何が解禁で何がよかったのか、わけがわからなたいが当たり障りなく答える。
「ああ。
心置きなく子作りできる」

無視。
これは無視でいいだろう。そう思うのに自他共に認めるお人好し。情けないが全部聞かされた。
「家のしきたりで16まで手を出せないんだ」
万が一間違いがあったら切腹しなくちゃいけないとか言ってたのは聞かなかったことにした。
「ただでさえ俺は次期御館様が妹君を、いや御当主様の御孫様を妻取ることになるわけで」
しかし俺がいくら伝統や家の事を重んじても何故か周囲が軽くていけない。鬼道は、鬼道とて長い歴史と伝統のある家の者だが、養子だ。根っからの、“家”の流れにある者の感覚はいまいち分かりにくい。
「でも次子は全くなんにも知らないし、穢すようで勿体なくて」
でも我慢も利かなくて…
この葛藤に同意を求められたがそれも無視した。
「要するに佐久間が16になったら抱けるって話だろ」
「なっ…!下世話に言うな!」

純粋なんだか馬鹿なんだか、とにかく年相応の欲望はあったのだなと安心した。
手を繋ぐことさえなかなか無い2人の間はどうなっているのか考えていた。そんなのはむしろ不健全だ。確かに佐久間は歳より幼いところがあるし、そういったものに知識が無いのもよくわかる。しかしそれでもよしとしている源田の神経を、実は少々疑っていた。
佐久間は昔からかわいかった。俺なら家訓にも遠慮はしないと話したら、どうやら怒らせたようで行ってしまった。
聞き損にならないよう、後で事を聞かせてもらおう。




***

続きを書く気がないからボツ



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