2014/12/20 Sat 04:10

★ インディゴ・ナイトE



※ 捜査のアレソレなんてわからないけどファンタジーだから許してね
※ ファンタジーだからね
※ 読まなくてもいい回


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1人目(発見7番目)
♀/age13〜20/不明
死因:中毒及び失血
名前:身元不明(アミィ)
鉄道橋下の草むらで発見される。教会からと思しき情報の提供による。
左右の第2から第4までの肋骨と肩甲骨を骨折しており、右目が行方不明。鳥獣に荒らされ損傷が激しい。詳細不明。

2人目(発見1番目)
♀/age19/学生
死因:中毒及び全身打撲
名前:デボラ・オライリー
東部の貸車庫で発見される。状況から階段を踏み外し転倒した事故とされていたが、頭部に殴られたような跡が見つかり事故に見せかけた他殺として捜査中。
右の第3肋骨と左右の肩甲骨を骨折していたが転倒時の打撲によるものとされている。
例の電話による情報から、同一犯による連続殺人の被害者の可能性もある。

3人目(発見4番目)
♀/age15/学生
死因:中毒及び全身打撲
名前:シシー・マクレガー
仕事中(書店アルバイト)に姿を消し、翌日地下の倉庫で遺体が発見される。作業中に梯子が倒れた事故死と見られ、左右の第2から第5肋骨及び左の肩甲骨の骨折は転倒時の打撲によるものとされていた。しかし閉店前に従業員が確認した際には遺体が無かった事、死亡推定時刻が閉店後であった事から他殺の線で捜査が開始された。
詳細は不明であるが現場には白墨で描かれた謎のマークが残されていた。

4人目(発見3番目)
♂/age12〜15/不明
死因:中毒及び脳挫傷
名前:身元不明(サハウ)
ピューパ運河の河川敷で発見される。背後から殴られた跡があり、また遺体のそばには犯行に使われたと思われる角材が落ちていた。他殺として捜査されていたが、現在も身元不明。
左右の肩甲骨と肋骨が計18箇所骨折していたため、暴行を受けたとされていた。

5人目(発見2番目)
♀/age22/看護婦
死因:中毒及び全身打撲
名前:エリザベス・ヨーク
聖パルマ附属病院の渡り廊下の屋根から転落した。自殺または事故とされたが、被害者を突き落とした人物の人影を3人の入院患者が目撃していたために他殺として再捜査となる。
後にシシー・マクレガーの遺体発見現場にあったものと同じ足跡(白い泥ではっきりと残っていた)と、例の白墨で描かれた謎のマークが見つかり、同一犯による犯行と見られている。
全身を強く打ったため骨折箇所数は80以上にのぼり、肋骨と肩甲骨も含まれるが死亡の前後どちらかは不明。

6人目(発見6人目)
♂/age20/無職
死因:中毒及び窒息
人物:ヴォレ・ドゥケヌ
北区の公園でベンチで横たわって死亡していたのが発見される。マフラーがベンチの座面に絡まっていたため睡眠中に首が締まり、窒息した事故死、または自殺と推測されていた。
例の電話で他殺という情報を受けた事と後に遺体がみつかったベンチの座面裏に例のマークが発見された事で同一犯による被害者として捜査が進められている。
背中が一部陥没しており、左右の肩甲骨が割れていた。故意のものと思われる。

7人目(発見5番目)
♀/age21/学生
死因:中毒及び溺死
人物:朴 花琳
学生寮の風呂でルームメイトに発見される。肺に水が入っていたため他殺を視野に入れた捜査が進められていた。
以前見知らぬ人に声をかけられたと友人に話していたが、殺害された場所と発見された場所が別である可能性が高いことから寮生の聞き込みが重点的に行われている。
右の肩甲骨と左の第2肋骨が折れていた。


外秘になっている事以外をすべて伝えると手渡された資料を机に置き、シスターは項垂れた。
「なんてこと…」
かけるべき言葉がわからず、ヒロトは黙っていた。
「お察しします。我々でさえ直視するのは辛いものがありますから」
「………」
ウルビダの声には感情が感じられない。酷い事件になれてしまってシスターの嘆きを何とも思わないというわけではない。
今は被害者を悼むよりも、犯人を捕える事が優先である。捜査は1分1秒毎に手掛かりが消え行き、真実と犯人から遠ざかるものだ。
死者を悼むのは自分たちの仕事を終えてそれから…やっとできることなのだ。
「…サクルを呼びます」
「え?」
「もう戻った頃です。あの子は悪魔を畏れませんの…」
力気無く立ち上がったシスターの顔色は冴えない。
引きずるような歩調で部屋を出ていく。その後ろで黒い扉が重い音をたてて閉まった。
「…サクル?」
「前に会ったシスターかな。話したろ」
「ああ、例の」
突然子供のわく声がした。
2人が居る部屋が庭に面していることはわかっていたが、窓は磨りガラスがはめられているため外の様子がわからない。
「ここの孤児かな」
「いつもそこで遊んでるのかもね」
「ここの修道女は多く無い様子だが、よくやっているな…」
「子供たちも皆元気で良いね。外から見れば森は暗いし街から外れてるから、寂しいところかと思ってた」
ウルビダはガラスの向こうに感じられる子供たちの気配に目を向けていた。
子供が欲しい、とは、結婚する以前からよく言っていた。
しかし土地を持たない夫婦は子供を持つと重税が課される。ただでさえ2人揃って7年間の授業料を返済しなければならない身の上、子供を持つ余裕が出来るのはずっと先になるだろう。
「いくら苦しい事情があっても、子供を捨てるのは理解できない…」
「きっと要らなくて捨てた親ばかりでは無いよ」
「…そうだといいな」
ウルビダは家族が欲しいのだ。
温かく平穏で安らぐ場所…
それはヒロトも同じだから、願いの強さはよくわかる。
我が子を亡くした親たちの嘆きは2人に強い決意を抱かせている。
絶対に犯人を探し出してみせる。
そして罪の深さを思い知らせてやるのだと。



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