新入生仮入部第一目だ。じゃあまずは、シャツを脱げ!!と言われ一年の壮絶なえ゙〜が響く。
それもそうだと内心苦笑し、素直に上半身裸になる新入生の顔は有り得ない!の一言に尽きる様に茫然としている。
更にマネージャーではなく、監督だという事もあり仰天だろう。
あらゆる肉体データを言い当てられるのは、驚愕さながら恐ろしい位だ。
全て視終わった筈が、『キセキの世代』がいた出身校から一人の少年が現れたが、余りの影の薄さに吃驚し、更には試合にも出ていたというが…いつからいたんだ、誰なんだな状態で騒然となってしまっていた。
するとくいくいとシャツを引っ張られる感覚がして、俺は振り向き真横に目を向けた。










「遅れてごめんなさい」


「先輩。や、未だ練習は始まってないんで大丈夫だけど」


「そうですか?良かった…。ねぇ、日向君あの方達は?」


「一年の入部希望者達ですよ。今カントクがチェック終わった所」


「あらら、もう終わってしまいましたか…残念だわ。リコちゃんの判定楽しいのに」


「ついさっきまでシャツ脱げって大騒ぎ。今は帝光出身の奴がいて騒いでんですけどね」

「帝光?凄いんですか、その中学校」

「全中3連覇成し遂げた超強豪校ですよ」


「ほぉ〜…あの髪の色素が薄い方?」


「うん」


わ!いやいや、いちいちドキドキするじゃないか。

未だシャツの裾を摘む様にして握ったまま、軽く身体を腕に寄せて来る。
汗掻いてるから余り触れるのは止めた方が良いと言おうとは思うが、他の部員達がいるというのに自分にだけこの様な態度で接してくれているとなると悪い気分はない。
タイミングを逃し、貴女の存在を言い忘れてしまった俺とカントクが目を合わせた瞬間キラキラとしたカントクの…否、ギラギラとした獲物を見付けた様な輝かしい目に早変わりし、貴女を見詰める。


「姫-----っ!!!」


「遅れてごめんなさい、リコちゃん。先生と進路相談していて遅くなってしまって…」


「大丈夫!未だ練習始まってなかったし。良−し!皆、注目して」




「うわ!美人っ」
「三年のえーと…ほら、誰だっけ。女子達も騒いでたじゃん?」
「ちょちょ!もしかして今度こそ!?」
「頼む!期待を裏切らないでくれっっ」





「紹介するね。我がバスケ部美人マネージャー!」


「美人か如何か定かではないけれど…。マネージャーをさせて頂きます、***xxxです。学年は三年。たまに合唱、ブラス、茶道華道にダンス部等に借り出されてしまう時がありますがこちら優先ですので御心配なく。予備校がある日は途中から抜けさせて頂きますがご容赦下さいな。宜しくお願い致します」




「マジかよ?!うっわ期待裏切らなかった…」
「三年…あぁ!女子達が騒いでた憧れの生徒副会長じゃん」
「未だ総会ねーじゃん。何で知ってんだよ」
「女子の情報網半端ねぇだろ」
「センパイかぁ。入って良かった!マジで」
「うっわ…腰細ぇ。脚も細いぜ」


優しくふんわり微笑む姿に内心ガッツポーズかますそんな一年に、早くもカントクの視線が光る。貴女に腕を絡ませ、ビシッと人差し指を突き付けるとニッと笑い、高慢にも言い放つ。


「姫に手、出すのは禁止よ!電話番号迄は良いけどメアドは駄目。三年で受験なのに好意で引き受けて貰ってるから、勉強の邪魔はしない事!分かった?」






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