誰もが帰った後、俺達バスケ部以外のバレー部やらも解散した後…その『秘め事』はひっそりと始まるのを知るのは多分、俺だけだ。

…多分だけれど。

辛いならば残らなければ良い。
耳を塞げば良いし、目を覆えば良い、さっさと帰れば済むんだ。
でも、それが出来ないのが男の性。
いつも使用する地下体育館倉庫、今日の相手は俺じゃない。
普段使用する反対側の階段に腰を下ろし、僅かながらもいつも鍵が掛かっていない窓は隙間を作る。
夕闇間近だが、案外くっきり浮かぶ人間は二人。    


「ね、もう限界?」

「っ、…ン…ぁ…」

「ふふっ。乳首固くなっちゃってる。転がされるのが好きなのよねぇ?センパイは」

「り、コ…ちゃ…。駄目…ぇ…っ、ゃ」

「ぁ、下着新しくしたんだね。水色かぁ、下のお口もヌルヌルかな。染みになって青くなってるよ?水色なのにね−、パンティ」


育てるのが快楽だと豪語するカントク。
だからって貴女まで餌食にせずとも良いだろうに…と思うが、純粋に相田リコは貴女の事が好きなのだろう。

恋愛対象として、女として。

セーターをばんざーいとか言いながらさっさと脱がし、スカーフタイを引き抜いてスカートは完全に捲り上げる。
新しいとされる水色のブラとショーツは空気に触れて、丸い柔らかな乳房がブラのフォックを外される事で露わになった。
確かに乳首勃ってるな…とか、静かな地下にはカントクが指をショーツの中に入れて秘部を弄っているらしくクチュクチュと濡れた音がする。
反響するもんだから、貴女の甘ったるい喘ぎもバッチリ耳に届く。

ねぇ、最近やたら日向君と仲良いよね?妬けちゃうなぁ、私。
確かにイイ奴だけどね−、でも姫はあげない。
処女は私が貰うんだからね、あげちゃ駄目よ?

なんてニヤニヤしながら貴女の蜜壷に三本指を突っ込む。
あんあん言いながらカントクにしがみ着いて快楽に堪える。
咽喉のけ反らせて熱く響く喘ぎ声。

ヤバイヤバイ!

あんま集中すると自分迄飲み込まれる。
つーか盛ってしまう。
でも確かに聞こえた声で口唇を噛み締た。



好き、      
リコちゃん----- 





ほら、見ろ。


どろどろどろどろ、渦巻いてしまうんだ、醜い感情。

女同士だから気持ち悪いとかは思わない。
案外小悪魔的なカントクは可愛いって密かに噂あるし、貴女は上品で秀才にも関わらず部員の間にしか知られてない天然なトコもあって美人。
じゃれ合う姿は微笑ましい限りだ。
だから、これはカントクに対する嫉妬。
でもって好きも言えない自分に対する歯痒さ。

クソ…何やってるんだろな、俺。

こんな覗き見なんて悪趣味な事やって落ち込むだなんて馬鹿だろ。
こんな馬鹿は俺じゃない。
虎視眈々と地道に確実に狙ってシュート練習だってやって来た訳で、身に付けるのに近道なんてなかった訳で、貴女の瞳に確実に映る様になるのだって確かな行動があった訳で。






つまり、はだ。













Stoic











俺は静かにその場所を下がり、ぎゅっと拳を握った。
そう言えばこの間貴女を送った時に植えてあった花があった。
未だ花は先らしいが、7月には穂槍状のピンクや白の花が咲くと言っていたんだ。
へぇ、と頷いたら優しく微笑んで呟いていた。何だったっけ…言葉。






(花言葉、知らないですよね)
(花言葉?)
(燃える想い。そして、向上心)
(向上心…)
(日向君に確かにあるモノですよね)










fin…xxx
2009/04/14:UP



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