04


それが、高一の時の夏休み。
ん…?
今?
今は俺は3年だよ。
相も変らず、俺は高尾達と一緒で。
夏も風紀委員を手伝って向日葵の世話に明け暮れてみている。









「うっわ!?嘘だろう。もう直ぐで9時じゃんッ」









リアカーを漕ぎながら、高尾が叫ぶ。
そんな高尾を無様だと思いつつ、汗が目に落ちて来たり。
珍しく寝坊だなんてかましてしまい、慌ててしまう。


大きな鉄のカタマリが、俺の頭上を飛んでいく。
瞬間、俺はリアカーを飛び下りて、駆け出す。


速く走れ。


もっと走れ。


速く速く、もっと早く走るんだって。
そしたら、見れる筈…。









「ハァ…ハァ…。お…帰りっ」





「緑間君!?嫌だ。酷い汗……ぁ、え、と…。ただいまです」









向日葵が咲いた道、突っ走った。
貴女が向日葵みたく、黄色いキャミソールでいて。


ギュって。


ニコニコ笑いながら、抱きしめた。
俺、この時思った。
梅の花より、桜より。
向日葵って……




俺を一番、愛してくれるってこと。






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