Key of Life11(12/43)






『##name1##…』









名前を呼んだ瞬間、精一杯背伸びしたオマエの口唇が…俺の口唇に触れた。
オマエからは本気で初めてで、俺の頭は軽く混乱。
頬が熱くなり、何てガキなんだと羞恥した。









『覚えてらして。私は貴方様が好きよ。貴方様を幸福せにするのは私。


貴方様を愛せるのも私。


どの様な事が起ころうとも、私以外の人にはその権利を差し上げませんのよ。




誠二さん、覚悟をなさっててくださいな-----』










その時、気付いた。
やっぱりオマエは"運命"の相手なんだって。
挑戦する様な宣戦布告な瞳で微笑み、ハッキリ言い切る。
俺は酷く嬉しくて、嬉しくて嬉しくて仕方なくて…。





全身で好きだと伝える##name1##を愛してる----。
















「俺…嫌われてるって思ってたんだよ」


「如何、して…?」


「下品な話になっちまうんだけどさ、彼女だったそいつ…小学5年の時に犯っちまってんだよ。好きで、マジで好きで仕方なくてよ。けど……見境なく抱いちまって……。





滅茶苦茶にキズ付けた」





「小学5年生って……」





「有り得ねぇだろ?5年だぜ?ロリコンなのかって感じだよな。マジで。




けど……そいつが生まれた時から夢中だったんだよ。赤ん坊の頃から…」













虚しく、笑った。
頭を抱え込む様にしてうなだれ、両腕はまるで祈る様に。
組んだ指先は痛い程に力を込め、過去を悔やむ。
隣にオマエがいるのに、ちゃんといるのに…。









何で……












俺はうなだれた顔を上げると、不安気に虚ろに揺らぐオマエにかち会い、名前を呼ぶ。
不意にオマエの右手首を持ち、幾千とケロイドとなった傷口に…優しく撫でる様に触れた。
口唇を近付け、壊れ物を扱う様にキスを一つ。










「##NAME1##、」














変わらない、指先の冷たさ。
夏でも冷ややかな掌は健在で、慈しむ様に何度も接吻ける。











「##NAME1##…」














思い、出してくれ-----













羨望、渇望、切望。
どんな言葉も、敵わない程の望みをぶつけるのだ。
豪雨と化した風景の中、小さく幾度となく名前を呼ぶ。













「ゃ…………ぃ………ゃ…」






「##NAME1##…」








「た…ぃ…。嫌…。頭、痛…ぃ……。ぃゃ…ゃ…






ガタン-----!!!





嫌ぁぁぁッ------!!!




止めてっ。呼ばないで…っ。嫌…、い…ゃぁッ。誰…?嫌、痛…っ




っ、ゴホっ。ゲホ、っ…ハァ、ハァ、ハ…っ」














俺の腕を引き剥がし、ベンチからずり落ちる。
地べたに沈み込む様に、両耳を必死に覆い、左右に激しく拒否する。
両目から多大な量の涙を頬に伝わせ、パニックになる。




悲痛な叫びが俺の耳にこだまして、指先の芯から震えが沸き起こる。
伸ばす指先は躊躇われ、息苦しさから胸を掻き毟る様に爪を立てるオマエを…。










「##name2##…」










咽喉が、名前を呼べずにいた…。
ただ、怖くて仕方ない。
全身で拒否を露わにするオマエが、怖い。
その様に立ちすくみ、何の行動にも移れない俺の背中から…不意に、水溜まりを蹴る様な水音と共に、低い叫びにも似た声が届く。













バシャ…っ------












「##name1##っ-----!!」









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