こい、はじめよう!


数回しか会った事もなく、メールの回数も乏しかったが、好きだった。
否、きっと未だ好きなんだと思う。
きっと君は彼奴の事をそういう考えで好きなんだと思うんだ。
ずっと幼馴染みでいるんだから気付くよ。




「優し過ぎるから駄目なのよ…あの人」


「そうだねー。優しいんだねー」


「あ…桜井君、笑った!!今如何でも良いって思ったでしょう」


「え…バレた?、っぁ、ご、ごめんっ」


「…いつもそうだもの。私がフラれるといつもそう。


でもね、今回は違ったのよ。友達でいれる様になったの」


「うっそ!!…違っ、ごめん。でも、ぇ、マジで?だってxxxちゃん、男女の友情成立しないって言ってたじゃん」


「んー…だから諦める訳ではないけれど、何て言ったら良いのかしら。


つまり、またアタックするって事。向こうは未だ誰かと恋愛する気は皆無らしいし。未だチャンスはあるでしょう」




ちょっと、待って…




普段ならばフラれればすっぱり諦める君が、今回は如何だ。
諦めないだけでなく、友人関係からアタックして彼女に昇進を狙う…。
冗談じゃない、ボクは小さく口唇だけで「嘘でしょ…」と呟いた。


だって、ボクは君が好きなのだ。


ただ、伝えないのは君が意地を張るのが目に見えているからだ。


君にもし、伝えたらこのまま幼馴染みでいる事も出来ず、メルアドは消すわ、会ってくれなくなるわ、で…嗚呼、考えただけで頭が痛い。


今までスルー出来たのはフラれれば君は一切のそいつとの関係を切る為に、安心していた。
だが、今回はそうじゃ…ない。




「如何かしたの?桜井君」


「…未だ続けるの?関係」


「勿論。未だ可能性が零という訳で


「駄目だよ!!」


…は……って、如何かしたの?急に大声出すだなんて」


「駄目だよ。駄目。だって…


ボク、xxxちゃんの事好きなんだって。ずっと、ずっと…ずっと好きなんだよ?」




腕を引っ張り、自分の胸に押し付ける。
抱き締める形で君を引っ張ったのだ。
君は胸に押さえ付けられて、酷く驚きを隠せずにいる。


言って仕舞うと、しまった…なぁ、と無言状態。
俺は目一杯抱き締めて、何故だか涙が溢れそうで、嫌だった。




「苦しいわ、桜井君」


「……」


「…違うわ、苦しいのは……いえ、苦しかったねはお互い様よね。


胸、ドキドキしてる」


「してるよ。だって、好きだもん」


「私は…だって、桜井君、あのー…うん、」


「フラれたんなら、フラれたままで良いじゃん。


ボクと付き合おう。ね?xxxちゃん」


「…でも…」


「明日!!明日デートしようっ。良し、決まり。待ち合わせは昼の1時!!


じゃあね」


「え!?ちょ、待ってっ」


「何?」


「私…好きになって、いたの…かも知れないわ。桜井君の事。でも!!昨日の今日でそ


「良いじゃん。昨日は昨日、明日は明日だよ。


始めようよ、明日から」


「そう、ね…はい」


「明日、楽しみだなぁ」







fin…xxx




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