ちびドリ(1/3)


ねつ造家族が出てきます。
ねつ造が苦手・嫌いな方はご注意を!!
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「・・・ピンポーン」

オフ日前日、「明日、いつでも良いから遊びに来いよ」と誘われた愛しのドリさんの家へ朝一(それでも考慮して10時前)で出掛けると、玄関からひょっこりと見知らぬ小学生くらいの小さな男の子が顔を出してきた。

見知らぬ少年が出てきたので思わず表札を見直してみたけどやっぱり「緑川」と書いてあって、訳が分からずアワアワしていると少年は「わぁぁあ!!世良だぁー」と目を輝かせながらグイグイと俺を家へと引き入れようとしたので、とりあえず訳が分からないながらも「お邪魔しまーす」と叫びながら中へと入っていった。

中へ入りグルグルと室内を見回してみたけれど、やっぱりどう見てもドリさんの部屋だったけど、いくら目を凝らしても部屋の主は見当たらなかった。

部屋の主は見つかりそうになかったので、相変わらず目を輝かせながら俺を見つめている少年に目を向け、少し観察をしてみると心なしかどこかドリさんに似ている気がして「まさか…ドリさんの隠し子!?」とアホみたいな想像にちょっぴりドキドキしながらも、とりあえず質問してみようと思い「ドリさん知らない?どこ行ったの?」と目線を合わすように膝立ちになりながら少年に声をかけてみると、少年は無邪気な笑顔のまま「僕も“ドリ”だよ!!」と返してきたので「あっ、イヤ…あの…ゴールキーパーのドリさんはどこに行ったの?」とすかさず別の質問を投げてみたものの「僕も、ゴールキーパーのドリだよ?」とキッパリ返されてしまった。

「ゴールキーパーでドリって…小さい頃のドリさんがタイムスリップでもしてきたのか…!?!?」何てもう訳が分からなくて、どうにかなりそうになっていると「ただいまぁー」と明るい女性の声が室内に響き渡ったかと思うと少年は「あっ、ママ!!」と元気よく玄関へと走っていった。

「ママ!?…ドリさんの奥さん!?!?」と半ば、爆発寸前の思考を何とか使って振り向きながら立ち上がると、そこには美人な女性とちょっぴり老けた感じのドリさんが立っていて、更に訳が分からなくなっていると「何だ、世良…来てたのか!!」といつもの声と顔がその2人の間からチラリと覗いた。

もう何が起こってるのか分からなくて、どしたら良いのかも分からなくて俺はその場へと座り込んでしまった。


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