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練習開始前、広報の子と軽く打ち合わせをしてから一人遅れてグランドへ出ると佐倉が「ケン!ねぇ、聞いて!!ついにやったよー」とニコニコ顔で俺に走り寄ってきたかと思うと「ついに…ついに…小森が僕を認めてくれたんだ!!」と試合で勝った時よりも嬉しそうな顔で話し始めた。
懸命に俺に伝えようとしているようだったけれど佐倉はテンションが上がり過ぎていて、正直何を伝えようとしているのかはすべては理解しきれなかったが、それでも何とか聞き取れた部分をまとめるとどうやら小森が佐倉に“尊敬している”と伝えたようだった。

半信半疑で目線を佐倉から選手たちに移すと、選手達は一斉に人差し指を立てると口に当て「しぃー」としぐさをしだしたので、何かあると思い、張本人である小森を見てみると斜め下を見据えながら完全にふてくされていた。
誰が見てもあからさまに裏があることは明白だったが佐倉は俺に走り寄ってきたことで俺以外の選手達に背を向けていたので、今起こっているすべての動きは見えていなかった。
きっと佐倉は俺が伝えなければいつまでも気付かないだろうと思い、優しく伝えようとすると「ケンも来たし、練習を始めなきゃ〜」と浮足立ったまま、くるっと踵を返し元居た場所へ帰っていってしまった。

離れてしまってはもう、できることはないと思いながらも横目で佐倉の行方を気にしながらそばに居たコーチ陣に事情を聞くと、瀬古と小森が遊びでゲームをし「負けた方は勝った方の言う事聞く」との事になり、勝った瀬古が小森に「監督をナメるような態度はとるな!!」命令したため、どうしようかと悩んだ小森はつい「尊敬している」とポロっと言ってしまったようだった。と教えてくれた。

やっとすべてが繋がり、納得していると「あぁー もう、ムリ!!俺…やっぱり佐倉さんのこと、そんな風になんて見えねーよ!!」との小森の心からの叫びが響き渡り、一所懸命隠していた選手達を始めコーチ陣までもがガックリと肩を落としたが、当の佐倉はと言うと始めは何が起こったのか理解しきれていなかったようだった。
そんな佐倉を見て、瀬古が悪いと思ったのか真実をすべて告げるとやっとすべてを理解したようでさっきとは打って変わって「ケン…」とウルウルと今にも泣きだしそうな顔で俺の元へと走り寄ってきた。

また、佐倉の話に相づちを打ちながら聞いていると「…どっちが監督かホント、分かんないよな」とか「ケンさん、格好良すぎる…」なんて声が耳に入ってきた。
しまいには、小森が「…監督、ショボ」と声をもらし、瀬古やコーチ陣にこってりと絞られていた。

「…お前のせいだろ!!」

「どうして、俺だけ怒られるんですかー?瀬古だって同罪じゃないッスか!?」

「お前が普段から尊敬してればこんなことにはなってないだろうが!!!!」




** あとがき **

タイトルに意味はないです。
今までは作ってる途中に必ずタイトルが思い付いたのに最近、タイトルが全く出てこないことが多くてタイトルに悩む。

とにかく、ありがとう…山形!!
ちぐはぐな文かもしれないけど…大好きだよ、山形!!
また、必ず書くね!本当に大好きなんだよ!!

もう、ETUとの試合は見れないかもしれないけど…それでも大好きだ!!

ありがとう、山形。
悲しいけど…さよなら、山形。
…ほっこり山形、最高!!!!

2012.01.23



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