ルドルフ | ナノ



目的地は直ぐに見つかり、一行はそちらに進んだ。歩を急ぐ中でサメラは水足りるか?とぼんやりと考えた。どこまでも母親役だと小さく鼻を鳴らした。
どこまで行ってもサメラの軸は旅の物品であった。しばらく歩き続け城が近くなって、遠くにまばらな人影を見た。

「ラリホー!」

青の兵士が高く飛び上がり、その声を放ち二人の兵がよってきた殿にいたサメラが先頭に出て、睨みを利かせる。

「報告を受けてるラリ。」
「うちの戦車助けた!女の戦士!」
「…王との面会を望む。」

女神なら仕方ない。ついてくるといい!
元気そうな兵士が城内にはいるのでそれに従い後ろを歩く。
ふと何かを感じてサメラはふと後ろを振り返ったが何もない。奇妙と首を傾げながらサメラはまた前を向いて当たりを見回した。
熱対策か、半地下に立てられた城に窓はない。石造りの半地下である一階は外とは違いかなり涼しい。セシルが暗黒騎士だったならば、この熱に苦労しそうだな。とぼんやり思っていたら、王の間にたどり着いたらしく、豪華で重たそうな扉が開かれた。
玉座に座る地底の民の王は人当たり良さそうな笑みを浮かべて手招きをしている。サメラはドアを押さえて全員の入室を促して、全員が入ったのを確認して、会釈し後ろに立った。

「いやはやご無事であったか。」
「あなたは…?」
「わしは地底の民の王。ジオット。先ほどうちの戦車を助けてくれたことに礼を言う。」

サメラは頭を下げてから、クリスタルの無事を問いかけると、4つのうち2つは奴の手に渡ってしもうたが。残りの2つのうちの1つはお嬢さんのおかげで、まだ、この城で保管しとるぞい。そう聞いて、ならよかった。とサメラはふっと息を吐いた。ぼんやりと話を聞き流していると、シドが離れ飛空挺を修復するために残ると言う声を聞いた。

「飛空挺をミスリルで塗装してくるわい。サメラ、三人をまかせたぞ!」
「解った」
「サメラ、ちょっとは考えてよ!」

抗議の声を上げるバロンの騎士と導師にサメラは、考えてもお前たちに飯や宿の手配なんて頼めるか。せめてまともなもん作ってから言え。と吐き捨てて、やると隣でカインがそうだと頷いていた。

「まぁサメラ、ヤン。まかせたぞ!」

急ぎ足で部屋から出て行くシドを見送って、話を切り替えるようにジオットがさて。と膝をたたいた。


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