バルバシリアの腕をしゃがんで交わし、零距離で魔法を放つ。が、むなしく掻き消され、反撃を喰らう、過簿に叩きつけられる前に、壁に足をついて、押し出すように跳んだ。 「ヤン。」 「あぁ!」 爪を一つ放り投げたのをサメラが受け取り、その爪でバルバシリアの腕を切り裂いた。 「サメラ、無理しない!」 「解ってる。」 もう誰も取りこぼしたりするか。 ヤンに爪を返せば、バルバシリアは甲高い声を放ちながら竜巻を起こし、自身の身を守った。雷を落とすために呪文の詠唱を始めてたら「空中戦がお前だけだと思うな!」と蒼鉄が跳んでいった。 その背中に羽があるように軽やかに飛んでいくその姿にサメラはぼんやりと口を開いてその先を見つめていた。 「カインはね。竜騎士なの。」 「竜騎士?」 「竜と共にいた、騎士の称号よ。でも、最近はバロンにもいないけれどね…。空を飛ぶように戦うの。」 ローザの解説を聞き流しながら、の背中に何かを思う。見たようなフォームだな。どこで見たんだろうかと思考を巡らせたが、よくは解らなかった。ズトン。と衝撃を感じたら、その蒼鉄が、魔物の足を貫いて、動きを鈍らせた。 「団長のに。似てるかも。」 遠い昔に、見た。団長の軽業に似たような気がする。とても昔だからかして、よくは覚えていないが、そんな気がする。 「サメラ?」 「何でもない。気のせいだ」 …そう言えば、世界を回ったけど。 団長の生い立ちをよく知らないとサメラは気付いた。調べようもないことに鳴ってしまった居助仕方ないかとサメラは頭を振って目の前の戦闘に目を向けた。 「セシル。矢かロッドを持ってないか?」 「有るけれど、どうするの?」 はい。と手渡されたロッドを確認してロッドを竜巻の中に放り投げてサメラは魔法を纏い上に跳んだ。二三壁を蹴れば、バルバシリア真上に辿り着く。バルバシリアと目があった瞬間、サメラは迷うことなく手のひらをバルバシリアに向けて魔法を放つ。 「サンダガ!」 眩い光と轟音を放ち、それはロッドに向かってからバルバシリア目掛けて飛んでった。赤黒い炎に包まれてそれはぐずぐずに溶けてもなおバルバシリアは怒声を放つ。。 「お前達を生かしておけるか!」 私が扱っていた空中要塞と共に海に落ちて死ね! 前 戻 次 ×
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