ヤンをベッドに寝かせ。サメラは自分の荷物から薬草の類と小さな笛を取り出して吹いた。 「おい、神の鳥。早く出てこい急用だ。」 「毎回毎回、人使いが荒いんだから」 「サメラ?」 呼ばれたが視線もくれずサメラはデブチョコボだ。荷物を預かってくれてる。早く、預けてる薬一式を出せ。蹴りながら薬を催促すれば、急かすなよ。と言うデブチョコボから一頻りの荷物を奪い取り細長い葉と、長く平たい葉を瞬く間に切り刻んで、荷物から引っ張り出した。 「ボムの魂一欠片。ポーションで煮出して…ポロム、それを」 「はいっ」 荷物袋から引っ張り出したくものいとをサメラに手渡して、サメラはは鍋を見つめた。 「百合の根、彼岸花、…それから気付け用に…うん」 「サメラ?」 「なんだ?」 セシルはサメラの手の中で煮えたぎる鍋を指して問いかけた。飲み薬だが?魔の匂いがするからそれを洗浄する薬の葉と、洗脳の薬。人を手繰る根底にある呪いようの薬だ。と返す。 「洗脳の薬だなんて」 「術には術だ。」 熱が出たら解熱剤を飲むのと一緒だ。真逆の効果を入れるのが呪い返しだぞ。苦しい道だがな。南極の風を鍋に入れて急激に冷やすために、南極の風をもう一欠片居れるのと同じぐらいのタイミングで、うめき声が聞こえた。。 「ぅ…」 「サメラ、ヤンが起きたよ!ローザの手料理みたいな薬、飲ませなくて良くなったよ」 悪かったなえげつない色した薬でな!またこんどに使うかと、荷物の底に忍ばせた。 「私は…」 「疲労がもとの洗脳だろう。眠らせて疲労もとれたみたいだな。」 「サメラ殿」 「ローザみたいな薬飲ませかけた癖に」 「あ゛?」 ぼそりとつぶやくセシルに突っかかろうとしたが、テラに諫められて、あとで覚えてろ。とサメラは一人零す。 「それから、これが…」 「バロンの水路の鍵じゃないか」 「…どうして一目で解るんだよ。ご都合主義か?…」 「サメラさん?」 「なんでもない、独り言だ…とにかくサメラ、バロン城に潜入出来るよ。」 「解った。わかったからとりあえず行動は明日からにしてくれ…」 ミシディアの試練の山からほぼ休まずだしな。一息居れようヤンの体調も完成じゃないだろう。買い出し行ってくる。 「サメラ、僕も行くよ」 「わかった。パロム、ポロム。ヤンを任せた。な」 前 戻 次 ×
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