背中の大刀をそれに突き刺して、二撃目で雷を落としてからその柄を踏み込む。そのまま垂直に跳び、最上点から弓矢を放ち、刃に持ち替え能天を貫く。 「土のスカルミリョーネの恐ろしいさ味わいながら死ねっ」 ハンと鼻で笑って距離を開けるとテラが空かさず魔法を放つ。距離を空けるために後ろに逃げればセシルが入れ替わりスカルミリョーネを切りかかる。 「テラ、使え。足りなくなったら渡す」 「わかった。」 瓶を二つ緩く投げてサメラは大刀を引き抜くためにまたかけた。 「セシル、肩借りる」 「うん」 セシルの肩を足場として借りて空に走る。スカルミリョーネもそんなサメラを叩き落としにかかるため、その腕を高く振り上げた。刃で凪ぐこともせずその腕に刃を向ける。跳躍の高さから重力に従い落ち、その腕に刃が深々と刺さりサメラは地面に叩き落とされた。叩きつけられた衝撃で息の仕方も解らなくなって、悶絶するサメラに追撃が入る。 瞬間的な判断でパロムが簡単な炎魔法を牽制して、スカルミリョーネが退いた。 「サメラさん、大丈夫ですか!?」 慌ててケアルをかけようとするポロムに手のひらを向けて必要ないと抑止する。ポロムがもっていたポーションを使い、傷を簡易的に治して、スカルミリョーネに切りかかった。 ひらりとスカルミリョーネが交わして反撃を仕掛けた。サメラは足を止め刃をそちらに向けてニヤリと笑った。 「戦場から逃げてなんかやらないからな」 勢いよく刃に自ら貫いてスカルミリョーネが悲鳴をあげた。よろめいたタイミングでサメラはスカルミリョーネを下から上に蹴り上げてひっくり返すようにするとバランスを崩し後ろの崖を転げ落ちて行った。 「…セシル。先に行ってろ。」 「どうしたんだい?」 「あいつに愛用武器が刺さりっぱなしでな。とってくるから先に行ってろ。どうせすぐ頂上だしな」 制止の声を聞かずに、サメラは崖を滑るように降りていった。そこに死体が見えていた。先ほどまで獣の姿をしておらず、人のような姿で物言わぬ亡骸になっていた。死亡を確認するにも首が有らぬ方向に曲がっているのだから、彼は即死だったのだろう愛用している武器は、その傍らに落ちていて、すこし傷が付いているが問題なく使える事を確認し、いつもの位置に収め、軽い動作で崖を登り始めるのであった。 前 戻 次 ×
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