プロムとエッジは西の洞窟に入ってから、真っ先にエッジの両親が眠る墓に手を合わせた。プロムもそれに従って手を合わせ、死者への安らぎの口上を心のなかで唱える。 行くぞ。と言われてプロムはエッジの後を追う。 バブイルに入った途端、そこは戦場と化した。 「プロム!後ろ!」 「エドワードさん!しゃがんで!アクア!」 エッジの頭上を水の柱が飛ぶ。そこをエッジが刃を叩き込み、機械の魔物を一つ落とすが、魔物も最後にと警告アラームをけたたましく鳴らす。急ぐぞ、と声をかけて逃げるかのように二人は塔の奥にと進んでいく。時稀に魔物と遭遇しても、プロムの魔法で一掃した。その程度だったのだが、奥に行けば行くほど、魔物たちは手強く固くなって、数が数を呼び瞬く間に二人を取り囲んだ。 「こいつは、やべぇな。」 そんな言葉をプロムは聞いて気配を感じた。影が煙のように揺れて四つに別れた。その光景が怖くなって魔法を唱える準備を始めると、隣のエッジが止めるように言葉を出した。その瞬間に影が形をなして、回りの魔物たちを引き裂いた。サメラから伝聞のように聞いた話が、ふと頭の中をよぎる。 エブラーナに伝わっている技術は、ひどく研ぎ澄まされていると。 「てめえら!」 エッジの声に反応して、影はエッジの前で膝をつき頭を垂れる。 「お館様、我らエブラーナ四人衆ただいま密偵より戻りました。」 「よく、戻ったな。紹介しよう、ルドルフの旅を連れ立っていたプロムだ。」 「ルドルフ様が、いらっしゃるのですか?」 それは、後で説明するがとりあえず、ここにはいない。報告を聞こう。 プロムの隣に立つ男が、違う人間にも見えた。サメラさんから聞いてる印象が違うな。と思いつつプロムは小さく笑いを噛み殺して、その報告を聞いたが、地底では地底のクリスタルがすべて奪われ、ミシディアで魔導船が飛び上がり、トロイアもクリスタルを奪われ、ファブールの僧も、プロムとサメラを襲った者が殲滅したと聞いて、目の前が暗くなったのをかんじた。 「わかった。とりあえず行こう。プロム俺の背に乗れ。ルドルフと一緒ぐらいだろ。」 「お館様、どちらへ?」 きまってるだろ?胸糞悪くなるような殺気がさ。 前 戻 次 ×
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