「サメラ。君の言うとおりだった」 「いや。私も悪かった。お互い様だ。」 二人で息を吐き出して、視線が重なってセシルが笑った。 「みんな。行こう。」 そんな声に背を押される様に部屋から出ようとしたら、ドワーフの王がやって来て、有り様を見て頷いた。 「すみません、クリスタルは…」 「やむをえん。こうなったら最後のクリスタルを死守するしかない。」 「最後のクリスタルは一体はどちらに?」 こうしてる間にも、ゴルベーザは最後のクリスタルを得るために動いている。そう考えると、サメラは不安になったの。 もしもゴルベーザの手によって、クリスタルが八つ集まり、件の巨人が地面を焼いてしまうのなら。 「ならば、ゴルベーザが居ないならば、バブイルの塔に入りクリスタルを奪還を頼みたい。我々は最後のクリスタルがある封印の洞窟を必ず守りきろう」 たしかにそうだ。ゴルベーザが居ないならば、クリスタルは誰かの目下で環状線されていても、戦えば奪える余地はあるかもしれない。ただ考えるものは、最後の四天王とマラコーダであろうか。一人で戦って勝てるか否か。出会った瞬間に逃げる。それが大事だと判断する。 「わかりました。我々はバブイルに向かいます。」 そんなセシルの声を聞きながら、ゴルベーザの動きを考える。地上のクリスタルも全て彼の元にあると言っていた。ふと馬鹿弟子の存在を思い出した。しばらくエブラーナに向かってはないが、無事であろうか。 「今晩はゆっくり休まれよ。明日昼から戦車で気を逸らそうじゃないか」 「取り返しに…行きます。」 セシルが一礼したので、それに習い始め頭を下げて、宿に引き上げる。装備を買い換えないとなぁ。と思考を巡らせて一行の後ろを歩く。 「何もないといいんだが」 「何か言われましたかな?」 「いや、エブラーナの知り合いについて考えてたんだ。」 戦力が欲しいと言っていたゴルベーザだから、エブラーナの忍はほしい人材じゃないだろうかと考えると、エブラーナには無事なのだろうかと…。と言葉を濁してサメラは呟く。 「その方も無事だとよいですな」 「まぁ…あいつは殺しても死なんだろうが。」 「えー。なに、サメラエブラーナにも友達居たんだ。」 会話を聞いていたリディアがさすがサメラよね。と付け足して、サメラは言葉を濁す。友達と言うか、何というか。 前 戻 次 ×
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