対決 華麗なる怪盗VS探偵団と俺-2 問題も作り上げて、ライブの練習をする。歌詞をセナに仕込んでもらって、ライブ当日ライブ開始直前にステージ袖に『Ra*bits』が駆け込んできた。仁兎が「ごめん、保村ちん!」と言われても、別に。俺らは俺らだけでも完結できるし。と言いつつ人数を確認すると記憶していたよりも一人少ない。はて、と首を傾げていると耳に一人体調不良でダウンという単語が入ってくる。セナの声を聴きながら、思考を巡らせる。 「ふ〜ちゃん、楽しそうだね。」 「そー?レオは居ないけど、みんなとライブするのが楽しいからね。」 「べつに最初から期待してないけどねぇ、『Ra*bits』なんかに、単なるバックダンサーなんだし、邪魔だけはしないで、ねェ?文哉」 「まーみんなでライブできれば何でもいいよ。」 「はいはい、みんな駄弁ってないで『しゃん』としなさい」 しゃん。なんて言ってやると、ナルくん軽く怒られる、俺はそのまま流していると、仁兎から、保村ちんってそうやって笑うんだ。なんて言われるのを聞く。そんな一言を無視しつつすーちゃんと会話して、お客さんきてるねー。緊張しますね。まーすーちゃんそんなに肩肘張らなくていいよ、どうせ向こうは一年ばっかりだし、そこそこ難題しか出さないつもりだし、ナルくんにも一芝居打ってもらってミスリードまで仕掛けている、気にしないでいつもの練習と一緒だよ。そうやって語りかけると、すーちゃんが難しい顔をしているが、それでも俺はちょっとライブに対してウキウキが隠せない。 「みなさん、仲睦まじいのは結構ですが、公私混合はしないでください」 「何?すーちゃん、妬いてるの?」 「違います、Liveの最中にまで、そうやって巫山戯れたりしないでくださいね?」 「ほーらー、みんなー末っ子が妬いてるから一旦集合!ちなみに俺も淋しい!」 そうやって宣言すると、すーちゃんには呆れられたが、りっちゃんは俺の宣言を聞いたのか、笑って末っ子ちゃんと犬が拗ねてるよ〜。なんて声高に聞こえるように言ってる。拗ねてなどいません。私は、お姉さまと保村先輩にかわいがっていただけるだけで十分ですし。と頬を膨らませてりっちゃんに怪訝そうな目線を送っている。一瞬で切り替えて、転校生に末っ子力たっぷりで寄っている。そんな光景を見て、りっちゃんがやいやい言いつつ俺はその光景を見ながらケラケラ笑う。 「もう皆のペースに巻き込まれちゃってるわよォ、司ちゃん。文哉ちゃんも止めてあげてよねぇ。」 いやーすーちゃんとりっちゃんを見てると楽しいんだってば、やっぱりレオの子だねぇ。なんてしみじみ言ってると、あんたの子でもあるよ。とセナに怒られる。ついでに頬っぺたもつねられて、俺は痛い痛いと大抗議の声を上げる。『Ra*bits』の一年に心配はされたが、基本俺は身内にめちゃくちゃ甘い、それ以外は全部塩。の人間に扮しているというか、余所行きの皮被っているというかしてるので、辛くあたりつつ置いていく。 「ライブはじめるよっ!兎のとこも全員気を引き締めてかかってきなよ。」 「文哉、俺に似せるんじゃないの。」 「ほっへは、ふへははひへ!ほはほは、はいふはひはふよ!!へは!」 ほっぺたは二日痛み続けた。けれども、つつがなく『Knights』のライブを進ませ、とりあえず工程が半分ほどやってきて、仁兎のことを考えるとそろそろ巻き返してほしいころだ。んーと考えながらスマホを開いてナルくんに連絡を入れる。そろそろやろう、と書いていくと了解。と簡単に言ってくれる。ある程度先にナルくんには話をしてるので、セナのGOサインなんて待ってる暇はない。個人連絡の方で入れてるので、セナにもばれない。いえー。 ←/back/→ ×
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