反逆 王の騎行と俺。-4

俺のポケットマネーでだいぶ画策し、とりあえず衣装と楽曲が手に入ったことを、あんずに連絡を入れる。あんずはわかりました。と連絡が来たので、俺は俺なりに情報収集に向かう。SNSを使って、いろいろと探ってみるがやはりどうも放送委員会が絡んでそうなので、仁兎が入ってると想定する。レオの交友を考えると、次点で鬼龍や天祥院が来るだろう。ここが全員入るならば、大問題だぞと俺は頭を抱える。セナから、そっちはどうと連絡が来て、進展なしと返事を送る。むむむと考えてると、教室の窓に一つの影を見つける。藍色にも紫にもにた髪を持つ子が窓から頭を出していた。

「守沢んとこのガキ!放送委員のチビだろ!」
「わわっ!」

違うでござる!と言いながら逃げて行った。追いかけるのもだるいので、俺は小さくなる背中を見つめてから、セナに一言送る。放送委員会黒。と。了解。と返事が返ってくるので、この次点というのも推測値が高くなるなぁ。と思う。とりあえずレッスン始める。と送ると、すぐに既読が付いた。はぁ。とため息ついて、俺は借りているレッスン室に足を向けると、ナルくんが動きやすい格好に着替えてる最中だった。文哉ちゃん遅かったわね。と言われて、放送委員が黒だったと伝えると、困ったわねェ。と言葉を零した。後でセナもりっちゃんもまとめて相談かな、と言っているとセナが帰ってきた。

「あら、意外とお早いお帰りだったわねェ、泉ちゃん。」
「うん、ゆうくんがね……俺から逃れたい一心だったのか、なずにゃんに泣きついたからなずにゃんもお人好しだし、ぜんぶ知りたいことを全部教えてくれたんだよねぇ。」
「ともあれ、『王さま』のやつ、予想以上にガチみたい。とんでもない事実が判明してさぁ。ちょっと大慌てで皆に知らせに来たよ〜?あぁもう無駄にダッシュしたから汗かいちゃった」
「……セナ、もしかしてレオのところ仁兎鬼龍天祥院三毛縞って言わないよな。」

三毛縞まで来たら完全に最悪なんだけど。そうなったら俺まで出なきゃやってれなさそう。と首を振って近くの椅子に座り込む。プレーヤーの横の定位置に座り込むと、セナは強張った口調で、『王さま』はさ、少年漫画の都合のいい悪役みたいに乗り越えられること前提の試練を与えてくれるような、生易しいやつじゃないみたい。という言葉で今言った人数に全員襲っていると考える。俺が出ないと言ったのにレオと四人なら俺も出なければならない。戦えるのかと自分に問いかける。せめて三毛縞は居ないで欲しいと願う。誰ならどう来るだろう。と考えながら、いやまさか五奇人全員そろえるとか。まで思考を広げなが、クリップボードにコピー用紙を置いて思考を書き巡らせる。纏めているとどこかに答えがあるのだろうと思うので、ガチャガチャした情報を書きなぐりながら俺はナルくんとセナの話に耳を傾ける。とりあえず最初に思いつく限りの3年を一覧に書き連ねる。

「まさか、そんなことって…文哉ちゃんの言った人員が全員なの?」
「過剰なぐらいの戦力でさぁ?」

すみません。話の腰を折って恐縮なのですが、その『臨時Unit』というのは何なのでしょう?我ら『Knights』と対戦する『Unit』なのでしょうけど?放送委員の仁兎。そこから線を引いて鬼龍と繋ぐ。そこから三毛縞に入る理由を考えると、あれは祭りだというのだろうか、と考えていると、知らないんだ、最近はあんまり見かけないからねぇというセナの声が耳に入る。そのまま三毛縞から、レオとつなげると簡単につながるから厳しいんじゃないかなぁ。と思いつつあれに打ち勝つにはと計算を巡らせる。

「『臨時ユニット』っていうのは、特定の期間のみ結成される集団。まさに名前の通りの臨時的な『ユニット』ってわけ。いろんな枠組みを無視して、特別な仕事とかのために一時的に結成される『ユニット』なの。」

そんな説明を耳に入れながら三毛縞と赤いペンで線を引く。仁兎に@を振ってるのでAと入れると、ほかの相性を入れると天祥院が外れるだろう。とりあえず思い出して羽風を外す。どうせ俺らに興味はないだろう。ほかの面々もヤバそうなのに下線を入れていく。斎宮も外す、あれは干渉してこないだろう。続いて、深海を入れる。たぶん興味ないだろう、一年前の様子を思い出しながら線を入れる、その勢いで、日々樹は関わってきそうなんだよな。まぁ、でも天祥院のゴーサイン次第で保留。青葉は以前の戦争があるので点数高めと片っ端から書き足していく。

「ちなみに『王さま』が結成した『臨時ユニット』は、『ナイトキラーズ』って名前らしいよぉ?」
「…天祥院かかわってそうだな。面白味もない名前。」
「名前の時点でやる気満々って感じでしょ。ちょっと本気で喧嘩売られちゃってる?俺達を簡単に殺せると思ってるなら甘く見られたもんだけどねぇ?」

ギッタンギッタンにしてやろっか、寄せ集めの傭兵団の癖に調子こいちゃってさぁ?とセナの声を聴きながら、そのまま俺は天祥院Bと書く。ユニット衣装を考えると天祥院の金か青葉の服か鬼龍ぐらいがだろう。青葉は一週間でつくりきれると思わないので、そのまま外す。

「『ナイトキラーズ』には強豪の『ユニット』のリーダー級の大物が揃ってるぽいんだよねぇ?油断してると、勝負にもならないよぉ?」
「……そんな強敵に、私たちは勝てるのでしょうか?保村先輩が出てくだされば多少の安心もするのですが」
「すーちゃんにそんなこと言われても俺は出ないよ。」

足引っ張るとか負けるとか、そーんなしょうもない思考してるなら、根底から全部変えてあげるぐらい、全部かえてやろうか?騎士なのにそんな弱音叩いてたら俺が終わってから【デュエル】申し込んであげよっか?すーちゃん?

「文哉もいい加減に末っ子おびえさせてどうすんのさ。まぁ、こういう事態に陥ったのは、かさくんのせいじゃないから。」

全部、あのアホな『王さま』のせいだからねぇ?あいつがムチャクチャ言わなければ、こんな面倒なことに鳴らなかったんだからさぁ。ほんと、はた迷惑なやつだよねぇ?大丈夫だって、『ナイトキラーズ』なんて所詮は寄せ集めの烏合の衆でしょ。俺達『Knights』の敵じゃないよねぇ、大物喰いは『Trickstar』だけの専売特許じゃないって、世間に知らしめてやろうよ。大丈夫、俺たちは勝てる。かさくんが足引っ張った程度で俺たちは揺るがないし。文哉がかさくんを特訓したらもっと揺るがなくなる。気楽にやって、普通に勝てる。そういうもんでしょ……いつも、俺たちは。だから心配しないで、あんまり独りで抱え込まないでよねぇ?たまには『お兄ちゃんたち』に甘えなよ、クソガキ。……まぁ、そんな風にはしないんだろうけどね文哉。
そういってセナが俺の紙を取り上げる。仁兎に@、三毛縞と天祥院にA、青葉と鬼龍にB、朔間と蓮巳にCと書いた紙が視界から消える。ちょっとー。と言えば、あんたいい加減に考えすぎるのやめなよ。あとで情報いくらでも出すから。文哉考えるならそっち考えて。と言われてさっさと言ってよ、俺はその情報に対策を打つように考えるのだった。


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