レクイエム*誓いの剣と返礼祭-06

全員の話を決めて、レッスンを行う。まぁ、各自いろいろあるので回数は少ない。俺に当てられたレッスンは1回きり。俺が王をやる条件の一つだったりする。因みに3時間。…やる曲目を考えるならば、1曲30分程度が目安だが、多分調整しなければいけないのはアカペラだ。レオに指示出ししながら、音の確認を行いつつ、一曲に2時間半。こっちさえしっかりしてたら何とかなるだろう。残りは最終暴論まで出しても問題ないと思う。

俺が王だ、文句あっか。っていうか、契約書書いたよな。振りは後で考えよう。とりあえず、全部伝える。はい、卒業生。俺から一拍遅れて振り、残り三人、卒業生からもう一拍遅れて振りな。そうやって一回それだけ伝えて曲を流す。ちょっとした蛙の合唱感するけど、楽しい。フォーメーションも伝えつつ、持ち歌の確認とやっておく。臨機応変はみんな慣れっこだもんな。

「ここまでやってあれだけど、根本変えるつもりないけれど、どっか変更欠けるつもりだからよろしく。」

何処のとは今言わないけれど、楽曲を変更すると誰が思考していただろうね。そうこう練習をして俺の持ち時間は終わり。質問は後で来てくださーい。俺のはいつでも大丈夫でーす。と楽にしておく。レオがちょっとそわそわしてるのを見かけたが、俺はそれについて触れないで億。レオがそう思うならば、距離を問ておく方が吉だろう。へらへら笑ってるけれど、俺のレオ成分はまた足りてないなって思うから、駄目だ。もしかするとこれが最後かもしれないとも思ってるけれども、俺も下手したら独り立ちの時期なんだろう。おんぶだっこ。された覚えないけどね。

「はい、じゃーナルくん。王さまの時間交替。」
「あら、やだ。アタシじゃなくて、司ちゃんよ?」
「ふ〜ちゃん、ぼけるには早いよ。」
「かもね?」

こんあ些細なこともやり取りしつつ、俺はまた前に戻ろうとしているのに薄々気づいた。頭のどこかで現実と向き合いたくなくて本が読みたいと主張しだしてるのが自分でわかる。わかるようになった分だけ、立派な進化なんだけれども。なんだかなぁ。と思いつつ、俺の時をひたすらに待つのだった。レッスンを全部終わらせて、俺はその足で急いで事務所に向かう。スタジオを出ようとしたときにレオに声をかけられたような気もするけれど、聞き間違いだろう。嫌いだ。なんて言ったのだから。
校門近所にむっちゃんの車があったからそこに乗り込み事務所に向かう。その間にも俺はレオの音楽を聴きながら、アカペラの楽譜をめくりつつ旋律を頭に叩き込む。昔から暗記だけは得意だ。暗記で負けるわけにもいかないので、俺は狭い車の中で音程取りに必死になってたら事務所についたみたい。熱中してた俺を叩くまで気がつかなかった。
適当に謝って衣装の打ち合わせ。どういう風にしたいか。っていうか、ひたすら愛を振りまきたいに近いので、ふと思った。

「もしかすると、ユニット衣装アレンジの方がもりあがるかも…?」

三人の性格を模して脳内でどうやるか、受け取った相談で統合すると三人とも新作の衣装に走る、または現存する過去ライブの衣装でやってくる可能性は高い。がユニット衣装の方向で思考してるのはなさそうだ。そうだな、俺の見せるやり方は卒業写真とでも称しようか。もちろん、きれいなところしか見せないけどね。そっちでいくか。新曲アカペラ既存曲。飛び道具として俺のソロ曲。さぁ、どうするかねぇ。なんて思いながら衣装さんと話してると、顔にやけてるよ。なんて言われたので、俺はとりあえずむっちゃんからユニット衣装の写真を引っ張り出して貰って、それベースで作ってもらうことにした。

「世間を統括するのって手間だね。全部更地にしたらいいのにね。むっちゃん」
「なんでそんなに血なまぐさいの?」
「そう?」

そんな社会にしか身を投じてないからねぇ。大人の顔色ばかり見て俺は育ってきましたしぃ?したり顔でむっちゃんに問いかけるとまぁそんな世の中に投入してるからねぇ。って笑われたので俺も笑い返しておいた。俺がこうして笑ってることにむっちゃんは安心してくれるので、俺はカラカラ笑うが睡眠不足は否めない。けれど、まぁ終わればぐっすり眠れるでしょう。
アカペラ、振り返り、俺の思いと意趣返し添え。なんちゃって。ね。

「まぁ、夢ノ咲卒業したら、ある程度身の回り落ち着くと思うよ。アイドルもいったん休止じゃないかな。」
「しっかりしてよね。稼ぎ頭。」
「んだねー何でもやる。卒業したらむっちゃんへの恩返しでしばらく働くかな?」
「期待してるよ。」

そういいつつ声色が超絶真面目だからうちの事務所経営が怪しいんじゃないかと疑ってしまう。が、まぁこの人ヤバかったらヤバいっていうだろうから、まだ大丈夫なんだろう。最悪俺の印税で救うつもりだったりするからいいんだけど。

「とりあえず衣装の話すすめっか。」
「んだよ。」

っておもったら、りっちゃんもナルくんもユニット衣装だったから俺の読みが外れるんだけど、アレンジで助かった…とか思ったのは内緒だし、それに関して何か言いたそうなセナの目線をただただうけるだけの俺でした。はい。よくよく考えたら、りっちゃんもナルくんも比較的モデルやらで稼いでも、俺以下の稼ぎだったのまで考慮してなかった。恐るべし印税、そして御曹司。

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