俺と不羈!女神のトラブルライブ 3 





俺の楽曲は、アルカナイの人々から始まって、ディアーナの騎行、ペルセポネをしてからソロの遠矢射る。にはいって次の部に移る予定だ。俺は足技ガンガン使う曲でつむぎくんに睨まれたが、もう練習から楽しみで仕方ない、とりあえず必要な書類が全部揃ったのであいつらの事務所と打ち合わせからだ。学校終わりに、あんずと一緒にあいつらの事務所に向かう。正面玄関から受付に入ると、すぐさまに打ち合わせコーナーへと誘導される。狭いパーテーションに入ればすぐに担当者を呼びますから。と案内してくれた人が消えてった。

「あんず、何があっても笑ってろ。おにーさんが見事に片付けて、そのあと上手いもん食って学校に戻ろうぜ。食いたいもん考えて笑ってろ。」
「えーなんですかそれ!」
「高校入るまで外食ってほぼほぼしたことねーからわかんねえんだよ。」

だから店選びはお前に任せる。そんな話をしていると、担当者がやって来たので、俺の第一バトルが火蓋を切った。初手から、確認用に録音しておきますね。と言いつつ、釘をさしておく。これで俺たちも相手もゴネることはゆるされないようにしておく。会話しながらここで俺が天才的に見せる方がいいのか、捨てられた方がいいのか判断に欠けるが、平常モードというか、一年前というか営業用の笑顔をはりつけて対応していく。担当者から名刺を受け取って、会話をして企画書を提出、こういう方向でやっていきます。って確認を行っていると、やれMCを入れろだの部の代わりに休憩時間を求められて、全員の時間を減らしていく方向にするだとか、20分で1回休憩を、と言われたが大学の講義時間を引き合いに黙らせる。ダメだこいつ、わかってないやつだ。と俺は速攻で担当者の失格の箱に押し込んで、そのまま話を続ける。今回、直前チェック必要かも、とか思いながらノートの隅っこに書き込んでおく。

「現場の下見って可能ですか?」
「建設途中で、本番三日前からなら大丈夫かと……」
「もう少し早くはなりませんよねぇ。建設のスケジュールをお伺いしても?」

それは建設業者に言ってくれ。と突っぱねられたので、代案、寸法表をください。ステージ設営の話をさせてほしいんですが、と強めに出ると担当者はしぶしぶ建設業者に連絡を掛け合って明日ファックスと返答をもらう。その間に聞こえた建設業者の名前を控えておく。これはここの事務所担当者よりも話が早そうだ。そのあとも細々とした打ち合わせと照明との話をしたのだが、あまり興味なさそうな感じで俺はとなりのあんずが固まっている。あっけにとられすぎて表情筋どっかいってる。おい、お前それ校内だけにしとけ、んでそんな顔してたら瀬名に怒られっぞ。と思いつつそっと見られないようにあんずの脇をペンでつつく。あっけにとられすぎてか、我を取り返したあんずの目が笑ってないのを見ながら、俺はひっそりため息をつく。

「打ち合わせはこれぐらい、ですかね。青葉さん他のメンバー方に会われますか?」
「いいえ、他に時間が押してて、今日はここで失礼します。貴重なお時間ありがとうございます。また詳細が決まり次第お電話入れますね。」
「そうですか、わかりました。またお返事お待ちしております。」

はい、進捗気にしません族ですね。わかりました。俺は心の中で呟いて、次行きますよプロデューサー。と声をかけておれたちは事務所を後にする。出て、角を曲がった瞬間に、俺はため息をつく。あんずはぷりぷり怒ってるのを、俺はなだめつつだからお前の食いたいもん行くぞっていってんの、でなに食べたい?。と問いかければ鳴上のおすすめスイーツの店に入って、二人でケーキ頬張ってあれやこれやと愚痴大会。ついでに近くだった俺のお抱え私兵とあんずの顔を繋いでおく。お抱え私兵っていうけど、ただイベント企画に強い派遣会社な。勘違いしないでくれ。ほかにもまだまだいるけど、たぶん真っ先に今後声をかけるならここじゃないかな。っておれは思ってるので、物販はここがいいところだから。と説明をつけておく。かなり顔見知りの担当者なので、今後俺からもあんずからも依頼が入ると思うよ、と言えばちょっと泣きつかれた。いや、この人仕事丁寧なんだけど営業率悪いって聞いてるんだよね。まぁ、俺のお陰でかなり仕事とれてるから、助かってるらしい。ウインウインの関係性ってやつだよね。完全に顔繋ぎも終わってしまえば、夜もそこそこ深い時間。二人で駅に戻る間に、今日どうだったと?と投げ掛けてみた。

「ゆらぎ先輩。すみません、今日はありがとうございます」
「いいっていいって。いずれ夢ノ咲プロデュース科で御用達になるだろうし、ほかにもまだまだあるから、なんでも聞いて。」
「三毛縞先輩よりかなり聞きやすいです。」

けっこうガチトーンで返答をもらったけど、三毛縞あいつあんずになにしてんの?と疑問は飲み込んだ。興味はあるが、踏み込むべきでないと俺の脳が本能的に言っている。触らぬ神に祟りなし。まあ触れない方が祟りは起こりやすいんけどさ。ま、いずれは使うときが来たらあの人つかってやってよ。と言えば、あんずは今度の外部の物販スタッフとして取り入れてみようと思います。と前向きな返事をもらったので、俺は満足。私兵その一引き渡し完了ってね。

「私、こっちの方向なんですけど、ゆらぎ先輩は大丈夫ですか?ライブとか足とか」
「んーまぁ、ビリビリしてるけど、問題ねえ。どうせ戻らねえし。」

血吐くぐらいリハビリしてこれだし、佐賀美ちゃんと痛み止の相談もしなきゃねー。あの曲フォーメーションは変えても、パフォーマンスは変えるつもりないよ。ずっと使うとダメって言われてるやつ打って誤魔化しながらね。とはぐらかす。ま、病院にはきっちり通ってるからだんだん良くなるよ。……嘘だけどな。嘘つきの俺に神様は笑ってくれないのは知ってる。から、自分で切り開くしかないんだ。神の子救いの子だって、落ちてしまえばただの子どもだっていうね。ちなみに事務所からファックスが来ないから俺が建設業者のところに直談判して寸法をもらってきたわ!!どや!!



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