俺とつむぎくんと撮影。
スカウトゴンドラのために。
書けば出る信者のため、書いた。
あなたに書いてほしい物語さんを使って。
青葉つむぎを絶対に引くマンさんには「昔読んだ本を思い出した」で始まり、「さようならは言わなかった」で終わる物語を書いてほしいです。できれば8ツイート(1,120文字)以内でお願いします。
でやりました。
昔読んだ本を思い出した。少年が旅に出るハイファンタジーの本のようなそこは幻想的な撮影場所だった。青々とした木々に囲まれたそこに、小さな小川と丸太を置いただけの橋。子どもの書いたような絵のような場所が俺の目の前に広がっていた。
「いや、つむぎくん。」
今度のブロマイドのテーマが幻想的空間との調和なんだけどさ、いい撮影場所ない?とかって言ったところだけど、なぜか天祥院の車で、まさかこんな場所まで連れてきてもらって、尚且つ衣装まで用意してると思わなかったよねぇ。っていうか、ほんとに金額的にかかりすぎてそうで俺の活動費が怖い。振り付けバイト頑張ろう。て思えるからいいんだけど。目の前に広がる絶景から視線を動かして俺は自分の衣装を見る。砂漠や中南米の民族衣装をモチーフ衣装はつむぎくんのお手製で、その分カメラはつむぎくんにお願いなんだけど。ほんとまじなになの俺の弟。ぱねぇ。持ち得るコネクションを全部使っていいロケーションを見つけたんですよ〜、って言ってたけど俺の理想をおっかなびっくり越えてた。まじ、俺の弟なになの?俺よりやばくない?さっさと衣装に着替えると、満足そうに笑うつむぎくんがいた。
「事故の前に作りかけてた衣装があったので、ゆらぎくんの分だけ完成させたんですけど、やっぱり似合ってますよね。素敵です。」
「似たような顔してるのにさ、俺が似合ってて、つむぎくんが似合ってないとかそんなはずないって。」
「ほら、早くしないと日が暮れますよ。」
そんなつむぎくんに急かされて、俺は適当に動く。風にのってふわりと砂避けローブが浮いて、俺はそのまま丸太橋に立つ。ふっと視線をつむぎくんに向ければ、嬉しそうにニコニコしてこっちを見ている。そこそこ撮ったので確認しに寄るとつむぎくんが絶賛してる。俺の弟がクレイジーサイコパスにならないか心配なんだけど。
「実は俺、ゆらぎくんの大ファンだったんです。」
「へ?何を突然どうしたの?」
「初めてブロマイドを見たときに幻想的な風景につれていってくれる気がして、その時からすごく好きなんです。『Diana』のゆらぎくんのブロマイド」
「……いきなりすぎて俺が困惑するんだけど。っていうか過去形って俺が悲しくなるけど。」
でも、こういう機会じゃないと言えないですし、俺だってアイドルですから、同じ舞台に立てるんです。だから、大ファンじゃなくて神様みたいな感じになって。と口ごもっていくが、こらこらこら、人を神格化するんじゃありません。俺は神様でも救いの子でもないんです、救ったっていうより親父によって人の足元掬ったの。上手いこと言ってないからな。絶対に。っていうか君の行動力が怖いけど、まぁ俺も君に救われてる部分はかなりある。そういう話になると俺は毎回思うことは一つ。
きみがいたから、俺はあいつらにさようならは言わなかった。
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