俺と月永と公園。
「おい、月永、こんな夜中までなにしてんだ?」
「おばくん!今止められないんだ!」
帰宅途中の公園にオレンジがいた。歌ってる声も聞こえてる。その音を聴いてあぁ。と一人納得した。あれならやりかねん。微妙に噛み合わない会話を呆れながら、はいはい。と返事をして、あたりを見回しておく。木の枝で地面に傷をつけて五線譜を描いて、砂におたまじゃくしを重ねている。あーこれか保存してないタイプだろ、と判断して携帯のカメラアプリを立ち上げてとりあえず片っ端から納めていく。あとで月永のとこの誰かに投げておけばいいだろう。
「まだ、やっぱり治んないか!」
「無理だろね。」
最後に君と会ったのは3日前なんだから、そんな簡単に足が治ってたら世の中事故死なんて起きないっての。と言うと月永は笑う。帰んぞ。と言えば、もうちょっと待ってくれ!とか言い出すので、俺は近くのベンチに座る。あーつむぎくんに連絡入れとかないと後で怖いなぁ。とか思いつつ、月永の気がすむまで待つことにした。
春先だというのにうすら寒い。第一ボタンまで全部閉めてるのにまた寒さを感じる。コンクリートのベンチだからか、そこからも熱を奪われてる気がして、肩を竦めながら、とりあえずつむぎくんに月永の回収のお願い依頼を出す。しばらくして返事が来たので、ついでに暖かいもん3つ。と送っておく。
暇なので、月永を眺めながらポケットの中にあったプレイヤーに命を吹き込み、イヤホンを耳にさしこむとよく聞きなれた準備運動に使っていた音楽が鳴る。
「つむぎくんが来るまでならばれないよな?」なんて悪いことが頭をよぎる。そういえばしばらく体を動かすなんてご無沙汰な気がする。…軽くだしいいよな。と思うとカバンを隣に置いてた。軽いアクションばかりして、いれば体はほどほどに暖まってきたころに、回収隊つむぎくんにバレてめっちゃくちゃ叱られた。まって俺のが、にいちゃんなんだけど???とりあえずつむぎくんに月永を任せて帰る一人道。あ、あったかいのもらうの忘れた、家で飲も。
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