ワーカーホリックとホワイトデー三毛縞が欲しい人が手を組んだ結果。 





仕事で忙殺されてる。そもそも『HestiaCraft』は『P機関』へ渡る前の審査事務所や、アイドル達の創作活動の管理事務所になってるのだが、基本問題ESビルが賑やかになればなるほど俺の仕事が繁忙するのだ。そりゃそうだ、依頼あってこそなんだが、さすがに俺一人で運営するのも間違っている気がする。
寮に帰ったのはいつだったか、と思いながら仕事の振り分けと調査団体の資料をひっくり返して高い山をいくつか積み上げながら作業を進めていると、事務所の部屋がノックされた。

「ゆらぎさんはいるかなあ?」
「あ?三毛縞?」

勢いよくドアが開かれた風で書類が少し浮いたので、慌てて上から抑え込む。山が崩れると大変なことになるから崩れないことに安堵して胸をなでおろしてから、文句を言う。改善点というかクレームを言うと、三毛縞はカラカラ笑って次から気を付けると言ってくれた。お前はそういう所だけはちゃんとしてくれるのは知ってる。付き合いは長いからこそ、あけすけに言えるものだ。

「で、どうした?用事?」
「あぁ、ゆらぎさんに仕事の依頼だ」
「まじかよ……どっち、事前審査?アイドル?」
「俺がもってきたんだ、アイドルの仕事に決まってるだろう?」

ゆらぎさん好みの民族楽曲だぞ?嬉しいだろ?なんて言われても、俺の思考は雑務で煮えたぎってるので本音を言うと嬉しくない。そして必要なのは睡眠や一般的人間生活である。何が悲しくてこの年で職場に寝泊まり何泊続けるんだ。弟にそろそろ叱れらる気がする。あいつの同室七種だったよな、多分この事態知られてそうな気がするけど。そこまで考える余裕もない。

「……わかった、わかったんだけどさ。三毛縞」
「どうしたんだ?」
「もう、月永の作品管理まで手に負えないから、お前の事務所から人員貸して。弟以外。」
「つむぎさんは駄目か?」

人の貸出なんて見つかったら怒られる。そんなことを言いながら、机に臥せる。目を閉じても関わってる案件が頭の中を大運動会してるから気分は最悪だ。寝ても覚めても、案件ばかりが俺を食おうとしている予感がする。いっそこれに身を任せた方がうまい事行くのではないのかと思考していると、俺の反応が鈍いことを気にしてか三毛縞は俺の前に立った。

「ゆらぎさん、風邪ひいてないか?」
「風邪?かはわからないけど、さっきから仕事の案件が目を開けても閉じても回ってるな。」
「それはよくない、一旦寮に帰って寝た方が良いな」
「むり、案件残りすぎてて。終わらないから。三毛縞の案件も嬉しいけど、今無理。」
「あの踊り狂いのゆらぎさんが踊りの仕事を断るなんて。つむぎさんに報告するしかない」

これは一大事だと三毛縞はわめき俺の意識を実力でぶっ飛ばしベッド突っ込みコースに処された。なお、これはつむぎくんに話がいったらしく、めちゃくちゃ怒られた。毎日オレと帰りましょうね、って言われたけど、無理だって。仕事溜まりすぎちゃってるんだもん。終わらないって、おい、朱桜人の事務所の手を加えるな、頼むから覚えた書類の置き場所を変えるな、俺の仕事を増やすな!!!頼むからその応援に真面目じゃない奴を引っ張ってこないでくれ。あと、夏目わかったからここに実験器具おかないでくれ。頼むから。



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