ある冬の日の会話:鬼灯


「雪だるま、いいなぁ」

「何ですか唐突に」

「だって、現世は真冬で雪が積もったのよ。八大地獄にいたら雪遊びが出来ないから、ちょっと羨ましいわ」

「だったら八寒地獄に行けばいいじゃないですか」

「それもそうね。今度のお休みの日に遊びに行こうかしら」

「桔梗が行くのなら私も行きます」

「八寒地獄なんてあまり行かないから楽しみだわ」

「飽きるまで雪遊びが出来ますよ。かまくらもたくさん作れます」

「かまくらかぁ。中でこたつに入りながら何か食べたいな」

「冷凍みかんなんてどうですか? 外に置くだけで凍りますよ」

「あはは、完全に凍らせたら食べられないから気を付けなきゃ」

「ガッチガチに完全に凍らせたみかん……硬くて拷問に使えるかもしれませんね」

「……みかん嫌いの人には効果ありそうね」

「しかし、食べ物である以上、あまり採用したくないのも確かです」

「それもそうね」

「まあ、今度の休みは八寒地獄でデートですね。プライベートと思わせつつの視察をしてみましょう」

「あそこ独立したがってるからね……でも、プライベートを優先して欲しいわ」

「はい、桔梗。もちろんわかっていますよ」


Web拍手掲載期間
2014/02/15〜2014/05/09
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