ある冬の日の会話:牛鬼
「随分積もりましたね」
「そうだな」
「馬頭ったら大きな雪だるまを作ったんですよ」
「そういえば、牛頭が手伝わされていたな」
「牛頭は嫌そうにしていましたが、それでも手伝っていたのが仲良しの証ですよね」
「何だかんだいって、昔から仲が良いしな」
「ふふ、良き相棒といったところですね」
「千月は雪だるまは作らないのか?」
「あ、子供扱いしましたね。私、そこまで子供ではありません」
「はは、すまない。だが、千月は雪だるまよりも雪うさぎだな」
「……どうしてわかったんですか」
「何?」
「実は先程、牛頭と馬頭の雪だるまの隣に雪うさぎを作ってきたんです。梅若にも見せようと思っていたのですが……」
「はっはっは! 本当に作ったとはな」
「そ、そんなに笑わなくても」
「いやすまない。それにしても、可愛い一面を知れて良かった」
「うう……」
「そんなに恥ずかしがることはないだろう。千月の作った雪うさぎ、見せてくれないか?」
「……はい!」
Web拍手掲載期間
2014/02/15〜2014/05/09